過去ログ - 超能力戦争から逃げて異世界に来てしまった【キャラ募集安価】
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名無しNIPPER
[saga]
2017/05/06(土) 19:19:24.05 ID:++Gf/xpS0
ドッペルゲンガー族の多くは自分の両親を知らない。
どこで生まれたのか、自分は愛された事があるのか、誰かに抱かれた事があるのか、
自分が何者なのか、それらさえも知らない。
「オルタぁ! 304号室までこれを運んで来い!!」
豪華客船エンドジエンド号。その船底でオルタと呼ばれた男は獣の耳をした少女を渡された。
「ぐすっ……、ひっく……、こわいよぉ……」
獣耳の少女は抵抗する事を諦め、ただただ泣いていた。オルタは少女を少しだけ眺めると、
「……行くよ」
と、少女の手を引っ張った。
エンドジエンド号は法外な値段の乗船料を要求する代わりに、この世のありとあらゆる悪事を黙認する世界の闇のような場所だった。
薬、殺し、闇の儀式、様々な悪意が渦巻く中で、男の乗船客から最も支持されているのが『獣人狩り』だ。
オルタはその案内人であり、狩人の安全を護る“装置”だった。
「304号室……ここか」
「お願いします! 見逃して下さい! 何でもしますから!」
少女の懇願にオルタは首を傾げた。
「……何でもする?」
「ひっ!?」
オルタの瞳を覗きこんだ少女は悲鳴を上げる。
一見優しそうな青年。その瞳の奥には、“死よりも怖ろしい何か”が存在していた。
「じゃあ、生き残ってみなよ。そしたら見逃してあげる」
オルタは躊躇なく304号室を開ける。
そこに待っていたのは裸の男達。
「いや……いやぁ……」
この世の物とは思えない“何か”を装備した彼らの中に、オルタは少女を――、
放り込んだ。
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