1: ◆opnRYVYTFw[sage saga]
2017/05/15(月) 03:01:03.70 ID:nvwqN8A+0
ー 都内のバー前 ー
「今日はありがとう。付き合ってもらって」
「こちらこそ、ありがとうございました。私もちょうど飲みたかったので」
ほんのり赤に染まった微笑み。それは本当に天使のようで、いま私はこの光景を独り占めしていて、
(もしよかったらーーー)
…言ってはならない言葉が、簡単に出てしまいそうになる。
「お礼に、というのも何だけど」
「…家まで車で送って行くよ」
ずるい人間だ。自分でも嫌になる。
「まあ!ありがとうございます、嬉しいです。では、カーで行くかー。ふふっ」
「ははっ。…お疲れ様。明日は久しぶりのオフなんだから、ゆっくり休んでね」
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2: ◆opnRYVYTFw[sage saga]
2017/05/15(月) 03:04:06.20 ID:nvwqN8A+0
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青い街灯に照らされ、車に揺られて想う。
…このまま、どこまでも連れていってくれればいいのに。
3: ◆opnRYVYTFw[sage saga]
2017/05/15(月) 03:05:54.53 ID:nvwqN8A+0
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私はいつもそうだ。いくら飲みに誘っても、想いは伝えられないし、もとより伝えてはいけないのに。
ただどうしても、あの光景をもう一度観たくなる。観られないと重苦しい気分が続く。観れば満たされ、心が晴れる。
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