24:名無しNIPPER[saga]
2017/05/19(金) 21:56:22.52 ID:u81+4kKF0
「おかえりなさい」
昼の会話で重くなった足を引きずって自宅に帰ると、フードを被ったいかにも怪しい人がちょこんと座ってナナを待っていた。
「……あなたは誰ですか」
不思議と驚かずそう尋ねることができた。自分のなかの許容量を超える事態が発生するとかえって冷静になる、という言葉が今なら よーく理解できる。もうナナは頭の中はパンパンだった。
「答えをききにきました」
ナナの心境など知らぬと言わんばかりにポツリと呟かれたその言葉で、
『近いうちに答えをききにいきます』
そんな手紙が入っていたのを今更ながら思い出す。
被っているフードで声が聞き取り辛いが、なんとなく女性のような気がする。
座っているためはっきりとしないが背丈もナナと大差なさそうだし。
それよりも、この意味がわからない状況で、あの意味深な手紙とこの言葉。
「あなたは今のナナの状況のこと、知ってるんですね?」
ある程度の確信をもって彼女に尋ねると、
「元の世界に帰りたい?」
一切のためらうことなくあっさりとナナの求める答えが返ってきた。
「し、知ってるんですね! お願いします。早く私を」
「その前にまずは質問に答えて」
ナナに訊きにきたという答え。これに正解すれば今まで通りの世界に戻れるということなのだろうか。 ……うん。大丈夫! これでも 28年生きてきましたし、最近はクイズ番組の勉強もしてましたから絶対に負けませんよ!
ナナの意気込みを察したのか、彼女は少し緊張した様子ですぅと深呼吸をすると、
「あなたの名前はなんですか?」
そんなことを宣った。
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