過去ログ - 炎の四天王「魔王様が死んだ」 -SS速報VIP

過去ログ - 炎の四天王「魔王様が死んだ」

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1:名無しNIPPER[sage saga]
2017/05/20(土) 07:50:31.88 ID:40sK51a+0
　魔王が勇者に討ち滅ぼされた。その凶報は、近いところは半日、遠いところでは5日。遅かれ早かれ魔国全域に知れ渡ることとなる。

　もちろんそれは、忠臣であった彼の下にも……

　炎の四天王「事実か？」

　部下（女）「……はい。既に魔都への出立の準備を進めさせています。炎王様の馬の準備もできておりますが」

　炎王「いや、待て」

　部下「……？」

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2:名無しNIPPER
2017/05/20(土) 08:05:28.93 ID:40sK51a+0
　炎王（わたしの都市から魔都へは急いでも二日はかかる。土王の都市の方が早い、既に動いているはず）

　炎王（その前に人間たちへの対処だ……。前線はどうなっている？そもそも勇者はどうやって魔王城に侵入した？魔王様を守っていた水王は？くそ、情報が足りん……）

　部下「炎王様？」

3:名無しNIPPER[sage saga]
2017/05/20(土) 08:18:29.36 ID:40sK51a+0
　魔族が暮らす魔国と、人間が暮らす王国は戦争の渦中にあった。

　戦争自体は僅かに魔国の有利であったが、王国側は絶大な力を持つ勇者を魔国へ送り込む。

　勇者へ戦闘部隊を送ろうにも、王国側が総力をあげて魔国へと攻撃を仕掛ける。

4:名無しNIPPER[sage saga]
2017/05/20(土) 08:32:09.57 ID:40sK51a+0
　風王「手勢を纏めろ！魔王様の仇だ！魔都に向かうぞ！」

　魔将「し、しかし……」

　風王「なんだ！？」

5:名無しNIPPER[sage saga]
2017/05/20(土) 08:49:15.58 ID:40sK51a+0
　三日後、炎王が統べる都市。

　魔族兵士「なぜ炎王様は出撃の指示をくださらない！？」

　部下「聡明な方です。炎王様には何か考えがあるのでしょう」

6:名無しNIPPER[sage saga]
2017/05/20(土) 08:58:26.43 ID:40sK51a+0
　部下「……やはり、兵士の中には炎王様のご指示に疑問を抱く者が多いようです。務めて抑えてはいますが……」

　炎王「だろうな。わたしが彼らの立場であっても、疑問を抱かかずにはいられないだろう。……すまない、迷惑をかける」

　部下「いえ、もったいなきお言葉。お気にかけるほどのことではございません」

7:名無しNIPPER[sage]
2017/05/20(土) 09:01:51.09 ID:CUVN5bKSo
期待

8:名無しNIPPER[sage saga]
2017/05/20(土) 09:07:05.83 ID:40sK51a+0
　部下「なぜ、炎王様は動かないのです？」

　部下「風王様は前線で指揮を執り、土王様は魔都に向かっておいでです」

　部下「魔王様が崩御された今、魔国の最高権力を持つのは、炎王様、風王様、土王様、生存されているのならば水王様、の四方です」

9:名無しNIPPER[sage saga]
2017/05/20(土) 10:13:38.44 ID:40sK51a+0
　炎王「この都市が、一番良い布陣となっているからだ」

　炎王「まだ魔国までしか魔王様の崩御は知られていないが、いずれ王国にも知られる。そのときに、奴ら人間は必ず動き出すだろう」

　炎王「言ってしまえば、勇者の救出だ」

10:名無しNIPPER[sage saga]
2017/05/20(土) 10:31:19.71 ID:40sK51a+0
　炎王「我が都市は、前線と魔都の中間にある。……まぁ少し東にはずれているが」

　炎王「もし風王の軍が突破されれば、我らは侵攻してくる人間軍に早急に対処できる。勇者を見つけるための網を張るのにも、丁度いい」

　炎王「我ら魔国はまだ負けていない」

11:名無しNIPPER[sage saga]
2017/05/20(土) 10:39:58.40 ID:40sK51a+0
　部下「……出過ぎたことを、申し訳ありません」

　炎王「いや、いい。お前に言っていなかった、わたしもわたしだ」

　炎王「それはそうと、都市を行き来する隊商の取り締まりを一層強化してくれ。もし人間が引っかかれば、殺せ」

12:名無しNIPPER[sage saga]
2017/05/20(土) 10:51:27.88 ID:40sK51a+0
　翌日。

　部下「炎王様、偵察が戻って参りました」

　炎王「ご苦労。して、内容は？」

13:名無しNIPPER[sage saga]
2017/05/20(土) 11:02:24.52 ID:40sK51a+0
　部下「魔都にはやはり炎王様が予想なされた通り、土王様が向かっていました。偵察が到着する頃には、土王様の手勢は魔都に常駐していたらしいです」

　部下「魔都は混乱が激しかったようですが、土王様により鎮静化させられたと……。以前、強奪など個人単位の犯罪は多くなっていますが、このままいけばそれもなくなるかと」

　炎王「水王はどうなった？」

14:名無しNIPPER[sage saga]
2017/05/20(土) 11:13:41.48 ID:40sK51a+0
　部下「それと……」

　炎王「まだ何かあるのか？」

　部下「あとで、リラックス効果のある紅茶と軽食をお持ちします」

15:名無しNIPPER[sage saga]
2017/05/20(土) 11:42:20.90 ID:40sK51a+0
　時は少し遡る。

　誰よりも早く魔都へと到着した土の四天王は、魔王城の玉座の前で悲哀を滲ませていた。

　土王（かつて、我が主が君臨していた玉座だ……）

16:名無しNIPPER[sage saga]
2017/05/20(土) 11:51:16.40 ID:40sK51a+0
　水王「やはり、土王……か」

　土王「水王……！生きていたのか！」

　水王「なんとか……な」

17:名無しNIPPER
2017/05/20(土) 11:57:30.12 ID:40sK51a+0
　ｺﾂ･･･ｺﾂ…

　土王（そうか……水王は生きていたか。喜ぶべきなのだろうが……）

　土王（しかし水王はなぜ魔翌力で身体を覆っていたのだろう……？防御は……必要ない。ならば、回復か……）

18:名無しNIPPER[sage saga]
2017/05/20(土) 12:11:14.68 ID:40sK51a+0
　時は戻り、最前線。

　風王「【荒れよ暴風、引き裂け疾風】！！」

　　ドオオオオオオオオォォォォォォッッ

19:名無しNIPPER[sage saga]
2017/05/20(土) 12:18:44.01 ID:40sK51a+0
　ワァァァァァァァ……

　魔将「見ろ！敵が撤退していく！攻勢を強めよ、憎き人間共に悪夢を見せてやれ！」

　魔族兵士たち「応！」

20:名無しNIPPER[sage saga]
2017/05/20(土) 12:28:12.14 ID:40sK51a+0
　風王と魔将が響き渡った轟音に振り向いた。

　彼らの目に映ったのは、煙をあげて倒れる味方と、馬に乗って人間の軍の撤退を援護する騎士たちだった。

　騎士たちは馬に乗って魔法を放出し、追撃に移っていた魔族を焼き尽くす。

21:名無しNIPPER[sage saga]
2017/05/20(土) 12:44:51.74 ID:40sK51a+0
　魔導騎兵１「一人こっちに向かってきてるぞ！速い！」

　魔導騎兵２「複数で狙い打て！」ｺｫｫ… ｷﾞｭﾝｯ

　風王「それが俺に通用すると思ったか！」ﾊﾞﾁｯ

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