過去ログ - 炎の四天王「魔王様が死んだ」 -SS速報VIP

過去ログ - 炎の四天王「魔王様が死んだ」

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37:名無しNIPPER[saga]
2017/05/20(土) 17:13:03.61 ID:40sK51a+0
　土王「水……王……」ｺﾞﾊｯ

　　　「もう少しここに居座る予定だったが。驚いたよ。まさかあんな微弱な魔力にまで反応するとはな……。気づいたんだろう？部屋を出って行って、俺を奇襲する手筈だったか？とにかく、もうお前は生かしておけない」ｽﾞﾌﾞﾌﾞ…

　土王「貴様……！」

38:名無しNIPPER[saga]
2017/05/20(土) 17:27:27.80 ID:40sK51a+0
　賢者「さすがは四天王。一回刺されたくらいでは死なないか」

　土王「貴様……、勇者の一行の……！」

　土王（そうか……、覆っていた魔力は幻覚魔法を自分に纏わせていたということか！！）

39:名無しNIPPER[saga]
2017/05/20(土) 17:43:02.25 ID:40sK51a+0
　土王が賢者の言葉に激昂し、拳に魔力を纏わせて賢者へと襲い掛かる。
　賢者はそれに口の端を歪めた。

　賢者「おまけに、血の気が多いときたか」

40:名無しNIPPER[saga]
2017/05/20(土) 21:29:39.33 ID:40sK51a+0
　土王「ぐっ……」

　土王が静かに呻いた。
　原因は、賢者によって貫かれた胸の傷。

41:名無しNIPPER
2017/05/20(土) 21:49:59.68 ID:40sK51a+0
　賢者「……」

　土王（こいつ……、なんだ？保有魔翌力が跳ね上がっている……。いや、既に個人が持てる魔翌力ではない！）

　賢者「……【我、神域を侵す者なり」

42:名無しNIPPER[saga]
2017/05/20(土) 22:11:58.48 ID:40sK51a+0
　魔王城の半壊、水の四天王の死亡事実、さらには魔王城を半壊させた爆発による、土の四天王の生死不明。

　幾つもの凶報は、炎王に当然の如く知らされた。

　これに対し炎王は原因究明よりも混乱の鎮静化に向けていち早く動き出す。

43:名無しNIPPER[saga]
2017/05/21(日) 13:19:50.14 ID:dHkKPUuG0
　前線。

　地竜騎士団長「偵察によれば、迫ってきている王国軍は先の戦いと同程度だと。また、魔導騎兵の姿は見受けられず、とのことです」

44:名無しNIPPER[saga]
2017/05/21(日) 16:19:06.10 ID:dHkKPUuG0
　魔将「我々は、何だ？」

　団長「……！」

　魔将「国境を守り、人間共の侵入を防ぐ我が軍の特筆すべき点は、それは風王様だろう」

45:名無しNIPPER[saga]
2017/05/21(日) 16:25:04.92 ID:dHkKPUuG0
　「そうだ……俺たちは兵士だ……」

　「風王様だけじゃない……！」

　「人間に思い知らせてやるんだ！」

46:名無しNIPPER[saga]
2017/05/21(日) 16:43:34.95 ID:dHkKPUuG0
　こうして魔国軍と王国軍は、何度目かの戦いに入る。

　王国側が歩兵中心に軍を編成するのに対して、魔国側は騎馬兵中心の軍をもって後方に余力を残したまま、王国軍とあたる。
　にらみ合う形の中、魔将の声があたりに響いた。

47:名無しNIPPER
2017/05/21(日) 17:07:50.62 ID:dHkKPUuG0
　その光景は、人間たちにどう映ったのか、魔族たちにはわからない。
　見るからに凶暴なモンスターに跨った、魔族の兵士。それが、土煙をあげて自分達の下に迫っている。
　魔族らは体感することはできないが……。

　よほど恐ろしく映ったのだろうと、想像できた。

48:名無しNIPPER[saga]
2017/05/21(日) 17:20:50.99 ID:dHkKPUuG0
　魔将「まだだ！攻勢を緩めるな！」

　魔将「弓手騎士隊、敵両翼を削り取れ！」

49:名無しNIPPER[saga]
2017/05/21(日) 17:35:45.61 ID:dHkKPUuG0
　魔族兵士「魔将様、あれを！」

　一人の魔族兵士が荒い声を上げてある方角を指さした。

50:名無しNIPPER[saga]
2017/05/21(日) 17:46:13.42 ID:dHkKPUuG0
　数時間後、前線砦。

　団長「やはりあれは、王国軍だったようです」

51:名無しNIPPER[sage]
2017/05/22(月) 23:59:08.56 ID:l/AmjEQDO
乙

52:名無しNIPPER
2017/05/23(火) 19:03:03.96 ID:M21ep8lG0
　魔将『……私が、副将に？　風王様の？』

　風王『あァ、そうだ』

　魔将『……聞いていませんよ』

53:名無しNIPPER
2017/05/23(火) 19:18:49.95 ID:M21ep8lG0
　風王『相変わらずの自己評価の低さだな。悪い癖だ』

　魔将『し、しかし……』

　風王『そんなもんさ、役割を与えられるときの気分ってのは』

54:名無しNIPPER
2017/05/23(火) 23:41:19.53 ID:M21ep8lG0
　風王『だから平気……だとは言わねぇけどな。お前の力を認ていて、信用もしているから、任せようと思ってんだ』

　魔将『で、ですが……。将というのはどうにも……』

　風王『渋るな、お前も』ｺﾝﾀﾞｹｲｯﾃﾝﾉﾆ…

55:名無しNIPPER
2017/05/23(火) 23:54:52.22 ID:M21ep8lG0
　風王『その圧力が必要なんだよ』

　風王『端から見れば圧力にしか思えないだろうが、近しい者だったらそれは、頼もしさに変わるんだ。気迫が伴ってなけりゃ、将に対し不安を感じる。圧力が足りなけりゃ、頼りなく感じる。そういうことだよ』

　魔将『気迫……。私に、出せるのでしょうか？』

56:名無しNIPPER
2017/05/24(水) 00:00:57.24 ID:nESSybBK0
　魔将｢……決まっている。我々は、誇り高き魔族の兵士｣

　魔将は胸を張り、まっすぐ兵らを見据えた。
　堂々としたその姿は、将と呼ぶに相応しい。

57:名無しNIPPER[sage]
2017/05/24(水) 00:55:42.07 ID:UHEjieeDO
乙

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