過去ログ - 【咲-Saki-】京太郎「みやながけ」咲「重力には負けないもん!」
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149: ◆Y.lj54HWGU[sage saga]
2017/07/04(火) 20:33:41.78 ID:rGL+UnvXo

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 「今日は揺杏の誕生日だろ。

  今日くらいは家事を休んでくれよ」

 「えっ」


 そう言えば今日は誕生日、だった気がする。

 前日に『京太郎に祝ってもらえるのか』だとか、『そもそも誕生日教えたっけ』と悩み続けていた気がする。

 でも、それは大学時代のーー


 「ほら、朝食用意したからさ」

 「あ、うん……」


 しかし目の前の大人の表情をした京太郎を前に、揺杏は目を伏せる。

 大学時代の時より、遥かに男前になっているのだ。

 少しやつれているのは仕事が忙しいからだろうか。

 同時に、大人の貫禄と男らしさが伝わってくる。

 正直、揺杏の好みドストライクだった。


 「って、なんだこれ」

 「……ちょ、朝食。

  揺杏の分はしっかりしてるだろ?」

 「……ハァ」


 そう言えばコイツ、料理できなかったなと思い出す。

 タコス以外の料理は出来ないとか、そんな話を聞いた気がする。

 大学時代は尽くし系女子に囲まれていたから大丈夫だっただろうが、いざやって見ると慣れないものだ。

 1回目は失敗したのか、京太郎の席に置いてある朝食は焦げがついている。

 逆に揺杏の席に置いてあるものは少し焼き加減が甘いものの、京太郎の席に置いてあるものよりは遥かにマシだ。


 「(わざわざ作り直したんだな)」


 苦戦しながらも料理している姿を思い浮かべ、?を緩ませる。

 揺杏はこういうシチュエーションに弱い。

 普段は自分が尽くしたがるタイプなので、その相手からの恩返しに胸が熱くなる。

 ニヤけてしまうのを止められないまま、京太郎の皿から焦げたベーコンを自分の皿に乗せる。


 「あっ、オイ!」

 「一人で焦げたの食わなくてもいいだろ。

  私にも分けろよ」

 「でも今日はーー」

 「そんなのらしくないだろ。

  いいから半分こにするんだよ」


 結局、京太郎を押し切って焦げたものとそうでないものを半分こにした。

 何故だろうか。

 こんな普通のやりとりでさえ、胸がぽかぽかと暖かくなった。



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