過去ログ - 楓「卯月ちゃんマジシンデレラガールでした」
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7: ◆CToYMTLgRvRe[saga]
2017/06/14(水) 23:37:18.27 ID:TLJ5YQFNo
楓ちゃんは自分の今の立ち位置について考えているようだった。歌もダンスもファンへの対応も、なんでも完璧な高垣楓さん。そんな周囲の期待に無意識のうちに答えようとする自分。時折、素の自分とのギャップの間をフラフラしてしまうという。ラジオなんかで酒飲ダジャレおねえさんの面はだいぶ広まったけど、それすらも飲み込んでしまうオーラと度量の広さが彼女にはある。そういえば、前に「どうしようもない人」に見られるのが好きって言っていたわね。

でもどうしよう。そんな彼女の言葉に答えられるだけの全うな言葉を、私は持ってない。

私と同じく成年になってからこの業界に入ってきた楓ちゃんは、他とは比較にならないくらい早いスピードでトップまで上り詰めた。そんな彼女でもフラフラと戸惑う環境がある。わかってはいたけど、その光景はおそらく私には見えていない。おんなじようでいて、全く違うステージの上に彼女は立っているのだ。


8: ◆CToYMTLgRvRe[saga]
2017/06/14(水) 23:47:25.27 ID:TLJ5YQFNo
ううん、ダメよ早苗、ここは最年長の矜持を見せなきゃ。まずはなぜそんなふうに考え出したのか、きっかけを聞いてあげましょ。

「そうですねぇ、卯月ちゃん…の様子が気になってきたからかしら」

ああ、そっかー。いま、楓ちゃんは彼女を一番近いところから見守っているのねー。手に届きそうで届かないところにいる卯月ちゃんは、果たしてシンデレラと云う名の冠を重く感じてはいないだろうか。かと言って、その重圧は楓ちゃんでさえ知らない。助けてあげられそうな位置にいながら、絶対条件をクリアしていないこのもどかしさ。嫌になっちゃうくらい私と楓ちゃんの関係性とそっくりである。早苗さん傷ついちゃうわぁ。
以下略



9: ◆CToYMTLgRvRe[saga]
2017/06/15(木) 00:08:11.56 ID:U0sRZI3qo
〈武内Pの業務日誌〉

午前10時

島村さんと業務打ち合わせ。
以下略



10:名無しNIPPER[sage]
2017/06/15(木) 00:10:24.74 ID:foUExhYoO
古いの持ち出してきたな


11: ◆CToYMTLgRvRe[saga]
2017/06/15(木) 00:18:25.74 ID:U0sRZI3qo
午後6時

とときら学園の収録後、数年ぶりに担当復帰となった高垣さんとスケジュール合わせ。
私の先輩に当たる元担当の方が俳優部門の筆頭次長に抜擢されたのを受けての人事異動。
業務引き継ぎを兼ねた会合は高垣さんの提案でそのまま飲みへと流れ込む。
以下略



12: ◆CToYMTLgRvRe[saga]
2017/06/15(木) 00:34:42.23 ID:U0sRZI3qo
〈卯月の返答〉

司会「第6代シンデレラガールはァァァァ、高垣楓ェェェェェェ!!」

ちょっと癖のあるアナウンスが会場に鳴り響くと、たちまち歓声が上がります。
以下略



13: ◆CToYMTLgRvRe[saga]
2017/06/15(木) 00:43:34.29 ID:U0sRZI3qo
時計台を優雅な足取りで楓さんが登ってきます。でも、この距離だと足が少し震えているのがわかる。
ああ、楓さんも緊張するんだ。なんだか少しだけほっとする。
プロデューサーさんがガラスの靴を楓さんに履かせている。そう、去年は私が履かせてもらったんでした。

私がティアラを取ろうとすると、楓さんは突然手を握ってきて、私にこう告げました。
以下略



14: ◆CToYMTLgRvRe[saga]
2017/06/15(木) 00:44:08.66 ID:U0sRZI3qo

私の授けたティアラが、楓さんの頭上に輝きます。

「こんな景色だったんですねえ、ファンの皆さんのサイリウムで、『景』気のいい『色』」

以下略



15: ◆CToYMTLgRvRe[saga]
2017/06/15(木) 00:47:43.70 ID:U0sRZI3qo
以上で終わりです。
卯月ちゃん、一年間本当にお疲れ様でした。
そして楓さん、少し遅れましたが、6代目シンデレラガール&誕生日おめでとうございました。


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