過去ログ - 【デレマス】元・クールPと堀裕子の話
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7: ◆hAKnaa5i0.[saga]
2017/06/30(金) 12:23:51.67 ID:EJIj/W+V0
その日は大きめの会場でライブがあった。

堀裕子は遅刻をして会場にやってきた。

ライブで予定されていた順番を後回しにしてもらって対応した。

だが、関係者には迷惑をかけることになった。

ライブ後、控え室で私は彼女に聞いた。

「どうして今日は遅れたんだ」

堀裕子はしどろもどろになって説明をした。

「あの…その…ですね…」

「うん」

「み、道に迷っていたおばあちゃんに道案内をしていたら電車に乗り遅れてしまったんです…」

「…」

「す、すみません。信じられませんよね、あはは」

堀裕子は悲しげに笑い、うつむいた。

「単なる言い訳ですし…その…迷惑をかけてしまってごめんなさい…」

堀裕子は泣いていた。

私は彼女を軽く抱き寄せた。

背中をさすって落ち着かせた。

「私は疑ってないよ」

「ユッコは今まで遅刻をしたことなんてなかったろ。信じるよ」

私は堀裕子がエスパーだとは信じていない。

超能力の存在も信じていない。

だが、仕事に対する彼女の真剣さは信じていた。

堀裕子はしばらく泣いていた。

私のシャツは涙と鼻水で濡れた。

次の日、見知らぬ番号から電話があった。

相手は年配の女性だった。

「昨日ね。あんたのところの女の子に道案内をしてもらったんだけど、ありがとね。荷物まで持ってもらっちゃって、助かったんだよ」

女性の話は回りくどく、長かった。

堀裕子は嘘をつかない子だ。



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