過去ログ - 【モバマスSS・速水奏】《Home》
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◆hAKnaa5i0.
[saga]
2017/07/29(土) 16:46:42.07 ID:vf2bp9nY0
「…言わないでおこうと思ったけど、言うわね」
「うん?」
「さっきの話。なんで電話に出なかったのか、って」
プロデューサーは頷いた。
奏は言った。
「…私が1番怖かったのはあなたに見捨てられることだった。電話に出ても失望させるだけだと思った」
「『まだ戻れないのか』『頑張れないのか』『体調はどうか』」
「…そんなことを聞かれたら、私、絶対に自分のことを責めていたもの」
「『どうして立ち上がれないんだ』ってね」
奏は泣いた。
プロデューサーは前と同じように泣き止むまでそばにいてくれた。
「怖かった…駄目だった…だから…」
無理して最後まで言おうとすると、プロデューサーは「大丈夫だ」と止めた。
奏は嗚咽した。
だが、胸は温かかった。
「ありがとう…」
かすれた声でそう言った。
もう不安はなかった。
自分の帰るべき場所はなくならない。
プロデューサーだけじゃない。
仲間みんなが自分のHomeだと、奏は思った。
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