219:名無しNIPPER[saga]
2017/10/04(水) 00:13:21.89 ID:i1qDrOtc0
あの人は私からしてみればすごく眩しくて、焦がれる何かを持っていて、きらきらと輝いていました。
人は持たないものを欲しがる性質があり、それを持っている人を羨んだり妬んだりするものである、まさしくその通りでした。
でも、その気持ちを、恋と呼んでしまいたくありませんでした。
背伸びしても、逆立ちしても、あの人には釣り合わない、といたく思ったからです。
あの人は私にたくさんのことを与えてくれる。私が求めたことも、そうでないことも。
けれど、それに比べて私はどうでしょう?
そう、何も与えることができていないのです。今までも。きっと、これからも。
あの人の時折見せる弱さや綻びを、「どうしてなの、なにかあったの」、とは訊けないでいました。
それどころか、弱音を吐くあの人に苛立ちを覚えすらしました。
どうしてでしょうか。
そういうことではないのに、そういうことなのだろう、と決めつけることにしました。
結局は、それもまた自分を守る手段でした。
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