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284:名無しNIPPER[saga]
2017/10/09(月) 13:16:57.44 ID:kWAsA2wb0

【SS-W/Sasanqua】

 春が来て、夏が来て、秋が来て、また冬が来ました。
 日常には彩りが増し、私のなかの雪は少しずつ溶けていきました。

 ふたりで花見をして、ふたりで花火をして、ふたりで紅葉をみて、ふたりで冬を迎えました。
 週に二度か三度。一時間にも満たない時間に、約束はせずにそこに居たら話をする。そんな関係が続いていました。

 まだ日が長いときに、彼女は公園にお酒をもってきました。
 私は未成年だから飲めない、と言うと、わたしもそうだから関係ない、と返されました。気になって歳を訊くと、驚いたことに同い年でした。

 少しくらい大丈夫だよ、と言われるままに缶ビールを飲みました。案外私はお酒に強いようで、これといった感想も出ませんでした。
 彼女はお酒に弱く、少しの量でかなり酔ったようで、ベンチに座る私の肩に頭を預けてきました。

 そのまま眠りについた彼女をどうすることもできずに、ひとまず私の家に寝かせることにしました。
 家に到着して彼女を起こすと、まだ酔っている様子で、いろいろなことを話しはじめました。

 名前や家族構成、通っている高校、訊いていないのにブラのサイズなんかも教えてくれました。彼女の痣については、聞いていないふりをしました。




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