703:名無しNIPPER[saga]
2017/11/29(水) 02:49:48.02 ID:6C7ZJzN00
ホームから下に降りて改札をくぐり、駅からほど近い東雲さんのカフェへと向かう。
「直談判たって、なにを言うんですか?」
もうひとつ信号を渡れば着くというところで、学校を出てから初めて話し掛けた。
するとすぐに彼女の鼻歌は止んで、前を向きつつ苦笑いを浮かべて、あははと肩をすくめる。
「なんだろうね」
「無策」
「そうだよ!」
「考えてから行きましょうよ」
テンションでごまかされないぞ。
無策でピラニアの池(言いすぎ)に飛び込んでいくのはあまりにも危険すぎる。
先輩がそんなヘマをする様には見えないけれど、どこに地雷原があるかは彼女でもわからないだろう。
「一番伝えたいことは?」
「好きって気持ち!」
「……真面目に考えてくださいよ」
「えーだって、私はシノちゃんと会って話をしたいだけなの。
それに、愛の言葉にはリリックは必要ないんだよ」
「じゃあ行きますか」
「……あの、つっこむところだよ?」
信号が青に変わって、その言葉を無視しつつ前へ進む。
どうせ俺はいるだけで、直接何かを言うのは先輩だから、もう任せることにしようと思う。
先輩はちらと俺を確認して、また隣に並んだ。
1002Res/840.07 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。