過去ログ - 追われてます!
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706:名無しNIPPER[saga]
2017/11/29(水) 02:53:23.77 ID:6C7ZJzN00

「それで、聞きたいことがあるとか」

 五分くらい学校での東雲さんの様子について問われた後に、間を埋めるような形で話題が当初のものに戻った。

 何を言うのだろう。
 そう思っていると、先輩が真面目な顔をつくっておばあさんの方へ体を向ける。

 少しだけ緊張した雰囲気が流れ、店内はかかっている音楽が終わるタイミングを見計らったように、胡依先輩は喉を鳴らす。

「親御さんのことです」

 言うなり、彼女の眉根がぴくり動く。
 眉間にしわを寄せ、表情が強張ったものに変わる。

 それまで柔和な表情を浮かべていただけに、その変化がとても大きなもののように見えてしまう。

 だが、先輩は目を逸らさない。
 最初からそう言おうと決めていて、どういう反応をされるかも予期していたとでも言うように。

「あの子から、何か聞いてるのかい?」

「いいえ。でも、なんとなくは伝わってきます」




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