784:名無しNIPPER[saga]
2017/12/05(火) 00:02:29.88 ID:HHfyV3AE0
【投影】
「一回家に戻ります」と言って部室を出る。
眠気のように視界が霞む。もやもや感。ぼやけ。
本当は眠気ではなくて考え事のせいかもしれないけれど、何を描いていても、それがいいものであるとは思えないまま時間だけが経過していた。
まず今日の精神状況で部活に来たこと自体が馬鹿げた行為だったのかもしれない。哀愁。
先輩は昨晩と同じくソラと二人でマリオパーティをしていた。夜に本気出すらしい。もう夜だけど。最強。
東雲さんはパソコンをいじっていた。編集作業を手伝っているらしい。健気。
絵を描いている間も歩いている間も零華から告げられた言葉がぐるぐると頭のなかを支配する。
もしかしたら東雲さんに対してもそういう目を向けていたのだろうか。
自分にとって何かを感じる女の子に対してなら、誰にでもそう思ってしまうのだろうか。
だとしたら最低だな、と思う。
気持ち悪い、とすら思う。
それを意識していたならまだ救いがないこともないと思うが、このことに関しては全く意識していなかった。
そう思うと、ため息すら出てこなかった。俺はひどく落ちこんでいた。
ひょっとすると俺は人のことを記号としてしか見ていないのではないか。
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