792:名無しNIPPER[saga]
2017/12/05(火) 00:10:21.63 ID:HHfyV3AE0
【VS】
ドアを開けると、彼女は二階へ向かうことなくテーブルにつく。
そして、目の前の様子を気にせずに、買ってきたものを袋から取り出す。
佑希はイヤホンを付けていたが、誰かが座ったことに気付いて面をあげる。
視線はすぐに正面から逸れて俺に向かってきたが、それが下に向かうと彼女の表情は瞬く間に苛立ちを含んだものに変わった。
「なにそれ」と佑希は射竦めるような目を俺の隣に向ける。
「なにが」と奈雨は涼しげな声音で応答する。
「どうして手なんて繋いでるの」
「わるい?」
冷めた口調を崩さない奈雨に、佑希は少しだけたじろいだ様子を見せる。
その様子が少しだけ意外に思えた。彼女はどうでもいいと思っている人の感情なんて気にも留めないと思っていたから。
「わたしとお兄ちゃんのことなのに、佑希に何の関係があるの?」
衒いもなくそう続けると、佑希はまたしても鋭い視線を彼女に向ける。
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