過去ログ - 追われてます!
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822:名無しNIPPER[saga]
2017/12/05(火) 00:38:46.97 ID:HHfyV3AE0

 耳朶を打つ蕩けた声にのまれて、ベッドに彼女を押し倒してしまった。
 我慢しようとした。けれど、身体が言うことを聞いてくれなかった。

 彼女は一瞬だけ怯んだ顔をして、すぐにいつものようにえへへとはにかむ。

「いいよ。我慢しなくて」

 彼女は俺の手を取り、自らの胸部へと誘導する。

 触れるとすぐに彼女の早い鼓動が伝わってくる。
 それがいっそう頭をしびれさせ、流れに身を任せてしまいたくなる。

「でも、ちょっとだけ恥ずかしいから電気だけ消してほしい」

 言いつつも、彼女は俺の腰に腕を回して、ゆっくりとベッドに引き寄せる。

「お兄ちゃんがちゃんとわたしを見てくれるなら、邪険に扱われても乱暴されてもかまわない」

 心臓がばくばくと脈打ち、耳の先まで真っ赤にしている。
 なのに、今にも泣き出しそうな表情で微笑んでいる。




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