過去ログ - 追われてます!
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825:名無しNIPPER[saga]
2017/12/05(火) 00:40:43.65 ID:HHfyV3AE0

 きっと彼女は俺が何を言ったとしても許してくれる。受け入れてくれる。仮にここで彼女のなすがままに身体を求めたとしても、きっと応じてくれる。
 そうなってしまったら、歯止めが効かなくなるのは目に見えている。彼女を際限なく求めて、彼女を困らせて、最後には嫌われてしまうのではないか。

 そして何よりも、

「俺は奈雨にふさわしくない」

 そう思っていて、いつのまにか口に出ていた。彼女がどういう表情をしているのかはわからない。

「……わたしは、お兄ちゃんと誰かを比べたりしないよ」

 彼女はそうなのかもしれない。
 俺は彼女のそういうところが好きだったから。

 ──でも。

「でも、比べられるんだよ」

「……誰に?」

「みんなに」

「……そんなことないよ」

 不意に手を掴まれる。
 けれど、その驚きよりも、否定してしまいたい衝動が打ち勝ってしまう。




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