860:名無しNIPPER[saga]
2017/12/14(木) 19:00:19.75 ID:oAV4+yJj0
じとっと目を凝らして見ていると、
なんか、なんていうか。
いや、今の私がものすごくダサい服装なのは関係なくて、ああいう服を着てみたいな、と思ったわけでもなくて。
……うん、ちょっとだけ思った。抱え上げられたいとか、もろに考えた。相手は、まあ、なんでだろうな。
眠さは消えていても、頭はすでに活動を止めてしまっているのかもしれない。普段ならこんなことなんて考えないはずなのにな。
ぷかぷかと水に浮かぶような幻想を断ち切ろうとしていると、隣からぱしゃりとシャッター音が鳴る。
「胡依先輩」
と呆れた顔をつくる未来くんに向けて、部長さんはにひひと邪悪な笑みを浮かべる。
「お姫様抱っこはいい構図。尊みが溢れんばかりに深いの!」
出た。部長さんが口癖のように言う"尊い"。
気になって訊いたら、"尊い"は概念らしい。謎がますます深まる。
「ていうか、その私心をくすぐる服は、もしかして白石くんが買ってあげたの?」
「何の話ですか?」
「従妹の子に好きな服を着せるって宿題にしたじゃん」
「……しましたっけ?」
「したよ!」
1002Res/840.07 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。