933:名無しNIPPER[saga]
2018/01/10(水) 14:08:01.22 ID:LnmL9/o10
好き、という気持ちは曲がりなりにもあったはず。
……けれど、絵を描くことをおそらく本気で好いている部長さんにとっては、私の好きは好きとは呼べないのではないかと思ってしまう。
だから、彼女が頷いてくれたことは救いだった。
咎められるとは思ってないし、彼女のことだから聞いてくれるとは思ったけど、それでも怖かったから。
「中学に上がってからは、入りたい部活もなくて美術部に入部しました。
それも、私にとっては、数ある部活のなかから楽そうなものを選んだってだけなのに、両親はそれにいい顔をしませんでした」
「……どうして?」
「わからないです。でも、なんとなく……それは、伝わってきました」
私は私の描きたいものを描いているだけで、評価なんてされたくなかったのに。自分一人で完結していて、それでもよかったのに。
絵を見せなさいって言われて、見せたくなかったけど見せて、そうしたら、何ひとつ頼んでもないことをいろいろされて。
それは、たとえば、
描いた絵への駄目出しだったり、
そんなことはいいから勉強しなさいと言われたり、
かと思えば休みの日に美術展を一緒に観に行こうと言われたり。
両親に嫌われたくないから、その各々にわかったように頷いて、わかったフリをしてやり過ごそうとした。
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