過去ログ - 追われてます!
1- 20
941:名無しNIPPER[saga]
2018/01/10(水) 14:15:16.32 ID:LnmL9/o10

「私さ、シノちゃんのこと好きだよ」

「……」

「言いづらいことも話してくれて、私は嬉しい。
 どう言うのが正解なのかはわからないけど、シノちゃんは一人でも頑張ってきたんだって思うよ」

「私は、べつに……」

 否定の言葉を口に出そうとしたが、部長さんの今にも泣き出してしまいそうな表情に遮られる。

 どうして、私じゃなくて彼女が、他人のことにこんなにも感傷的になっているのだろうか。

「絵を描けなくなっちゃったのも、仕方ないことなんだと思う。
 コントロールのできない感情に不安になるのも、咄嗟のときに声を出せないのも、いろいろなことの積み重ねでシノちゃんが自分を責めちゃうのも、きっと全部仕方のないことなんだよ」

 話していないところまで、彼女は私のことを言い当てる。

「でも、それでも……シノちゃんは『絵を描きたい』って私に言ってくれた。
 それはつまりさ……きっと、」

 くぐもるような、でも一本芯の通った声は、私の心を強く揺さぶる。絡まった糸が、少しずつ解けていく。




<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/840.07 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice