過去ログ - 鷺沢文香の元いた古書堂の常連の話
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1:名無しNIPPER
2017/09/14(木) 01:02:49.51 ID:21UZx+iqO
彼女はいつも、古書堂の奥で、静かに本を読んでいた。
本に囲まれて、橙色の暖かいライトに照らされながら、分厚い本の印字が詰まった薄い一ページを捲る。
心配するくらいに無愛想で、それでも許される程に美しいその子は、明確に自分の世界を作り上げていた。
僕にはその中に入っていく勇気は無かったし、多分それは正しかったんだと思う。
?
僕は彼女の名前を知らない。
?
眺めるだけの好きの形でも、いいじゃないか。


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