833:名無しNIPPER[sage saga]
2018/08/12(日) 22:29:42.05 ID:lSjNYocCo
「……」
何と、返したら良いものか。
「……」
叱責や説教の類は……却下です。
一番傷ついているのは、彼女なのだ。
原因は未だ定かではないが、彼女は、糞を漏らした。
漆黒の魔力ではなく、茶色い物質を。
繊細な彼女が、心を痛めて居ない筈が無い。
今は、彼女を落ち着ける事が、最優先だ。
「……」
――大丈夫です。
――私に任せてください。
短く、そうメッセージを送信し、携帯をポケットにしまう。
とにかく、誰かに見つかる前に、一切の痕跡を消し去らなければならないのだから。
「……」
次の、魔力が災いが降り掛かった場所へと、一歩進む。
……最初よりも量が多目なので、四枚重ねにしようと、そう、思います。
ちなみに、鞄はウェットティッシュを取り出した後、廊下の隅に置いている。
私の手の中にあるのは、使用前のウェットティッシュ、そして、使用後のウェットティッシュが入ったビニール袋。
「……」
魔王の元へと向かおうと言うのに、何とも頼りない装備だ。
これだけを渡された状態で魔王討伐の旅に出ろと言われたら、
私は……いや、誰であろうと、その時点で王への反旗を翻しているだろう。
しかし、やるしか無い。
「……」
泣き言を言っても、廊下は綺麗にならないのだ。
自らの手をよご……極力汚さないように、慎重に、且つ、大胆に。
丁寧さは、時に速さを損なう。
私に今求められているのは、大便を恐れぬ勇気。
「……」
臭いに関しては……どうしても後回しになってしまいますね。
幸か不幸か、現在プロジェクトルームは地階にあるため、廊下でも換気設備が機能している。
すぐに、という訳にはいかないが、時間経過に伴い、臭いも薄れるだろう。
法は、私達を守ってくれる……・ありがとうございます、建築基準法。
「……」
感謝の気持ちを胸に、また、次のポイントへと移動する。
量が少なく、我慢したのだろうと思うと、褒め……る必要は、はい、ありませんね。
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