過去ログ - 武内P「『次はお前だ』」
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948:名無しNIPPER[sage saga]
2018/08/15(水) 23:12:50.72 ID:V0sj96NBo
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「へっへー! お姉ちゃんのナゲット、一個もーらいっ☆」


 莉嘉はそう言うと、アタシの返事を聞く前に、
ひょいと手を伸ばしてナゲットを口に放り込んだ。
 ニコニコと、満面の笑みを浮かべる莉嘉。
 その表情のどこにも、暗い感情は感じられない。


「太るよー?」
「成長期だからダイジョーブ! だから、もう一個食べてもぉ――」
「ダーメ。アタシの分が無くなっちゃうでしょ」
「太るよー?」
「確かに。これ以上胸が大きくなったら、モデルの仕事が減っちゃうカモ」
「あっ! じゃあ、その時はアタシがモデルの仕事変わってあげる!☆」


 話してても、全然フツー。
 むしろ、前よりも元気が良いくらい。


「――ねえ、莉嘉」


 声のトーンを変えて、言う。
 それで、莉嘉も察したのか、


「――うん……何? お姉ちゃん」


 と、さっきまでとは違う――アイドルの顔になった。
 今までアタシが見てきた……アタシを見てきた、莉嘉じゃない。
 それにちょっと驚いて、シェイクを一口だけ飲む。
 そして、トレーにカップを置いて、


「シンデレラプロジェクトの解散まで、もう三ヶ月を切ったよね」


 本題を切り出した――



「あっ、なーんだ! その話?」



 ――んだ、ケド……えっ!? 軽くない!?


「もーっ! 急に真面目モードになるから、何の話かと思ったじゃん!」


 莉嘉は、そう言いながら、「もーらいっ☆」と、アタシのナゲットの二個目を頬張った。
 それを咎めるには、呆気にとられすぎていて、タイミングを逃がす。


「お姉ちゃん?」


 言葉を失うアタシを見て、莉嘉は視線を彷徨わせ、


「はいっ、お返し! ポテトだけど……あーんっ☆」


 自分のトレーの上のポテトを一本つまみ、食べさせようとしてきた。


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