過去ログ - 武内P「今日はぁ、ハピハピするにぃ☆」
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945:名無しNIPPER[sage saga]
2018/07/16(月) 14:49:45.67 ID:crtiB4eCo
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「……ふぅ」


 勝ち取った喫煙所で、紫煙を吐き出す。
 白い煙が換気口に吸い込まれていくのをぼんやりと見つめる。
 この、何も考えず、頭を空っぽにする瞬間が、たまらない。
 禁煙? そんな事をしたら君、ストレスで死んでしまうよ!


「……すぅ」


 あれから、少しだけ彼と今後について話した。
 とても大事な話だから、また、改めて話し合う必要があるがね。
 それでも、部下の考えを知っておくというのは、重要だ。
 彼は、ただでさえ表情がわかりにくいんだから。


「……ふーっ」


 唇をすぼめ、勢い良く煙を吐き出す。
 全く、この一本は、彼の話を聞く前に吸いたかったよ。
 至福の一本が、これからの激務に対しての、景気付けの一本に早変わりだ。
 ……はあ、格好を付けて、彼女には先に私から話を通しておくなどと、言わなければ良かった。


「……すぅっ」


 煙草を加え、思い切り煙を肺に吸い込む。
 燃える火の赤が広がり、灰になった箇所が広がっていく。


「……ふー……っ」


 大きく吐き出された煙が、またもや換気口に吸い込まれていく。
 灰皿の上で人差し指と中指に挟んだ煙草を親指で弾き、灰を落とす。
 もう一口……いや、もう、十分か。
 中程まで灰になったそれを縁に押し付けて火を消し穴に落とすと、
中に溜められている水に触れて、ジュワッと音を立てた。


「……」


 喫煙所を後にし、行きがけにあったゴミ箱に、空になった煙草の箱を潰して捨てる。
 その際、封を開けていなかった次の煙草のビニールも開け、捨てておく。
 灰皿にそのまま捨てる人も居るがね、私はあれはいかんと思うよ。
 風でチラチラと揺れて、気になって仕方ないからね。


「さあて」


 彼女には、この話をどう切り出したものかな。
 最近では、大分表情が柔らかくなってきたが、まだまだお硬い専務様だ。
 ……とほほ、昔はもう少し可愛げがあったと言うのに、なんともまあ。


 しかし、時が流れるのは、誰にも止められない。


 時間の流れは、誰にとっても、平等に変化をもたらす。
 その変化を幸と捉えるか、不幸と捉えるかは、自分自身で判断するしか無い。
 だが、確実に、変化しているのだ。
 変わらないものなど、何一つ、有りはしないのだから。


「……ふぅ」


 勿論、私だって変化しているよ!
 息が切れやすくなったのも、そう……って、放っておいてくれたまえよ!



つづく


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