過去ログ - 武内P「あだ名を考えてきました」
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45:名無しNIPPER[sage]
2018/04/19(木) 00:15:50.00 ID:QifNUJyno
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「何よ〜、どうしたの? 何だか元気無いじゃないの!」


 早苗さんが、右手にビールのジョッキを握りながら、明るく笑いかけてくる。
 私は、早苗さんの、こういう所がとても好き。
 いつも明るくて、前向きで、とっても素敵な笑顔向けてくれる。
 だから、彼女と飲むお酒は、いつも楽しい。


「わかりますか?」


 手元のお猪口の縁を、ツイと指でなぞる。
 フルーティーで、とても飲みやすく、美味しいお酒。
 それなのに、今日はあまりペースが上がらない。
 良い事なのだろうけれど、私としては、とても不本意です。


「わかるわ。だって、私より飲んでないもの」


 瑞樹さんが、手に持ったお猪口をコトリとテーブルに置き、優しく笑いかけてくる。
 私は、瑞樹さんの、こういう所がとても好き。
 いつも優しくて、可愛くて、とっても素敵な笑顔を向けてくれる。
 だから、彼女と飲むお酒は、いつも嬉しい。


「実は……お仕事の事で、少し」


 二人は、私にとても良くしてくれる。
 優しいだけじゃなく、時に、厳しくもしてくれる。
 こんな、とっても素敵なお友達が居る私は、幸せだと思う。
 今も二人は、続けて、と、揃って片手を差し出してくれている。


「私の、アイドルとしてのイメージについて考えてたら、ゴチャゴチャしてきちゃって」


 神秘的、ミステリアス、クール……それに、ダジャレ好き。
 これが、ファンの方が私に抱いている、イメージだと思う。
 ファンの方は、私はこうあるべきだ、こういうアイドルだ、
と考えているから、ファンでいてくれてる、とも。
 だから、イメージを損なうと言われた時、思ったのだ。


「やってみたいお仕事が、イメージにそぐわない時……どう、しますか?」


 今の私があるのは、ファンの方達が支えてきてくれたから。
 その人達を裏切るような真似は、出来ないし、したくない。


「そうねぇ……」
「うーん……」


 だから、専務の言うように、やめておくのが正解なのか。
 それとも、自分の思うまま、ワガママを通しても良いのか。
 ファンあってのアイドルだからこそ、私にはわからない。


 私は、どうしたら良いの?


「「楓ちゃんは――」」


 二人の声が、重なった。


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