過去ログ - 武内P「あだ名を考えてきました」
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46:名無しNIPPER[sage]
2018/04/19(木) 00:47:03.05 ID:QifNUJyno
・ ・ ・
「おはようございます」
346プロダクションの、エントランスホール。
入ってすぐ、よく見慣れた、大きな姿を見つけた。
いつもなら、挨拶をしに近寄っていく事までは、しないけれど。
だけど、今日は別。
「高垣さん? おはよう、ございます」
わざわざ近寄ってきた私を不思議に思ったんですよね。
頭の上に、はてなマークが浮かんでるのが見えます。
だけど、彼は、何も言わない。
私が何か言い出すのをジッと待ってくれている。
「少し、お聞きしたい事があって」
挨拶を終えたままの姿勢で、何でも無い事の様に、聞く。
だって、私がお仕事の事で悩んでるなんて知られるのは、なんだか悔しいもの。
私はアイドルで、貴方はプロデューサー。
担当じゃないからこそ、対等な関係で居たいと……そう、思うんです。
「はい。私に、答えられる事でしたら」
そう言うと、彼は腕の時計を見て、時刻を確認した。
「少し、場所を移しましょうか」
早めに切り上げて欲しいというアピールじゃなかった事に、ホッと胸を撫で下ろす。
時間に余裕があるから、立ち話でなく、座れる場所に行こう、と。
……今、ホッとしたのは、貴方に話を聞いて貰えそうだからじゃありませんから。
迷惑をかけなくて済みそう、っていう安心ですからね。
「……高垣さん?」
チョコンと立った寝癖を睨みつけてたら、気づかれちゃった。
もう、こういう、変な所で察しが良いんですから。
だけど、私は今の感情を表情に出すことはしない。
元々、そこまで表情豊かな方じゃありませんから。
「はい?」
そう言って、こちらを見ている彼に、微笑む。
その微笑みに対し、彼は、右手を首筋にやり、
「あの……休憩スペースに、行きましょう」
と、促してきた。
彼の背中を見てたら、気付かない間に、彼との距離が開いていた。
私は、慌ててその後ろを追いかけた。
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