過去ログ - 武内P「あだ名を考えてきました」
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491:名無しNIPPER[sage saga]
2018/05/06(日) 00:39:12.42 ID:v3SmJyH4o
  ・  ・  ・

「……本当に、通りに出るまでですからね」


 しゃがみながら、彼はボソボソと低い声で話しかけてくる。
 あくまでも拒否する彼を説き伏せるのは、案外簡単だった。
 彼は色々と考えたようだが、ため息を一つつき、この体勢になったのだ。
 ふふっ、ベターな判断ですけど、ベタベタまではしませんから、うふふっ!


「は〜い♪」


 彼の鞄を左手に持ちながら、右手を上げて返事をする。
 中には色々な資料が詰まっているのか、かなり、重い。
 だけど、おんぶしてもらうんだから、これくらいは持たなくっちゃね。


 貴方は私の担当じゃないけれど。
 それでも、アイドルとプロデューサーは助け合うものですから。


「失礼しま〜す♪」


 とっても大きな背中に、体を預ける。
 予想以上に温かかった背中に手を当て、ふふっ、暖を取っちゃおうかしら。
 少ししっとりとした感じがするのは、私を探すために走ってくれたから?
 もしもそうなら、ありがとう、って言わないと。


「あの……高垣さん」


 何とも言えない、言いにくいそうな調子の、彼の声。
 もしかして……今になって、おんぶはしませんとでも言うつもりですか?
 まあ、何てこと!
 だとしたら、貴方のその後頭部の寝癖をえいっと引っ張っちゃいますよ!


「その体勢では……おぶれませんので、その」


 言われて、気付く。
 さっきまでの私、彼の背中にピタリと張り付いてただけじゃないの!
 慌てて、彼の背中を滑るようにして、頭の高さを合わせる。
 それから――


「……」


 ――それ……か、ら。
 え、っと……腕を回さなきゃいけない、のよ、ね。
 彼の背中から、ぎゅっと抱き着くように……ように、じゃなく、抱き着くのよね。
 ふふっ、落ちないように、きつく、抱き着くの、うふふっ!


「……!?」


 彼に、抱き着くの!? 後ろから!?
 それは、ええと……大丈夫、なのかしら!?
 ああ、でも、彼が通りに出るまでは、って判断したのだし……。
 大丈夫なのだろうけれど……!


「……高垣さん?」


 もう! どうして貴方は、そんなに平然としていられるの!?


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