過去ログ - 武内P「結婚するなら、ですか」
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300:名無しNIPPER[sage saga]
2018/02/24(土) 23:52:10.08 ID:QGx9u0Uyo

「っ……!?」


 どこだ……どこへ消えた!?
 姿の見えない相手から襲われる。
 これほどの恐怖が、あるだろうか。


「……!」


 首を起こし、周囲を見渡してみても特に変わった様子は無い。
 ……いや、ある、見つけた。
 布団の足元に、伏せている状態の、一人分の人影が。
 恐らく、彼女は気づかれないように布団の足元から入り込もうとしている。
 そして、本能の赴くままにしっちゃかめっちゃかする気なのだろう。


「……」


 だが、そうはさせない。
 両腕が塞がっているが、両脚は自由がきく。
 布団に入り込んできた瞬間、両の脚だけで三角絞めをし、一瞬で落とす。
 申し訳ありません、少し、手荒な形になってしまい――



「チャラランチャララン♪ チャララン♪ チャララン♪」



 ――えっ?
 何故……耳元から……『Memories』の前奏を口ずさむ声が!?
 ならば、あの足元の人影は――……身代わり!
 いつの間に、渋谷さんと入れ替わったのですか!?


「チャラリンララン♪」


 反対側からも!?


「「チャラリンララン♪」」


 ……成る程、はじめから渋谷さんは囮だったと、そういう事ですか。
 私を挟んで、寝転がりながら情熱的に『Memories』を踊る二人。
 そんな彼女達の今の表情は、きっと、とても艶のあるものなのだろう。


「自分の布団に戻りましょう」


 私は、今からそれを破壊しようと、そう、思います。


 両腕を曲げて、二人の頭を鷲掴みにし、その掌に力を込めた。
 合宿中は眠れない夜が続きそうだと、怒りと悲しみを込めて。


おわり


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