過去ログ - 武内P「結婚するなら、ですか」
1- 20
415:名無しNIPPER[sage saga]
2018/03/02(金) 00:40:25.55 ID:tkPQ0Qn5o

「水は、飲めそうですか?」


 背中に感じていた手の感触が、無くなった。
 声も、それに合わせて離れていく。
 ……うん、ようやく、落ち着いたかも。


「……すみません、お手数を」


 とても、迷惑をかけてしまった。
 だから、すぐにでも謝らなくっちゃと思い出した声は、少しかすれていた。


「いえ、お気になさらず」


 彼は、カバンから水の入ったペットボトルを出しながら言った。
 カバンを足元に置き、パキリと、新しいその蓋を開ける。
 そして、私に差し出してきた。


「ゆっくり、飲んで下さい」


 さすがに、そこまで甘えられない。
 ここまでしてくれただけでも、十分なのに。
 これ以上ご迷惑をおかけする訳にはいきません。
 そう、考えているけれど、



「――はい、ありがとうございます」



 私の口は、私の考えを置き去りにして、感謝の言葉を述べていた。


「……」


 だって、仕方ないじゃない。
 考えは考え、思いは思い。
 とっても嬉しくて、ありがとう、って言いたくなっちゃったんですもの。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/516.46 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice