811:名無しNIPPER[sage]
2017/11/27(月) 21:57:40.47 ID:/waBRMwOo
・ ・ ・
仕事の打ち合わせが終わり、談話スペースでホットコーヒーでホッと一息。
お昼にはまだ早いからか、いつもは誰かが居るのに今日は私一人だ。
最近、調子が出ないからこういった一人の時間は、正直ありがたい。
そんな時、ふと、談話スペースの脇に置かれた黒いぴにゃこら太のぬいぐるみが目に飛び込んできた。
黒いぴにゃこら太は目つきが悪く、体色と同じ黒いネクタイをしていて、寝癖が立っている。
私はそれがとても可愛いと思うのだけど、あまり同意は得られない。
「……」
立ち上がって、黒いぴにゃこら太に近づく。
見れば見るほど、この子と彼は似ているように思える。
そう考えたら、言いたい事の一つや二つは言っても良い気がしてきた。
「いつ帰ってくるか位、教えてくれたって」
彼にその義務は無いし、私達はそんな間柄では無い。
だけど、行き場を失くした私の挨拶の責任はどう取ってくれるのかしら。
「……」
ピン、と、黒いぴにゃこら太のオデコを指で弾いた。
それが彼にとっても、この子にとっても言いがかりの八つ当たりだと気づき、
謝罪の気持ちを込めて、黒いぴにゃこら太の頭を優しく撫でた。
その姿を誰かに見られていたらしく、後日、瑞樹さんと早苗さんに飲みに誘われた。
気晴らしと言われたけれど、私には意味がよくわからなかった。
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