816:名無しNIPPER[sage]
2017/11/27(月) 23:32:41.09 ID:/waBRMwOo
「お久しぶりです」
本当に久しぶりだと言うのに、彼は変わらない。
「……お久し、ぶりです」
なんとか声を出したが、それだけで精一杯。
「立ち止まっていては他の方の通行の妨げになりますから、歩きながら」
彼は、そう言うと私に背を向け、ゆっくりと歩き出した。
フラフラと、つられるように彼について私も歩き出す。
「……」
彼の背中を見ているだけで、不思議な気分になる。
久々だと言うのに、変わらない彼の態度へ対する怒り?
私に会っても、全然嬉しそうにしていない事への悲しみ?
「すみません、言い忘れていました」
彼は、立ち止まって振り返り、言った。
「おはようございます」
その言葉を聞き、私の心に、とても言葉に出来ない痛みが生まれた。
私は、今、恋に落ちたのだ。
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