835:名無しNIPPER[sage]
2017/11/28(火) 23:15:04.82 ID:mEF11nT4o
「おうっ、お、えええっ!」
思えば、諸星さんにはいつも助けられてきた。
彼女の明るさと笑顔のパワーに、プロジェクトは陰ながら支えられていたのだ。
だから、今は、彼女を私が支えなくては。
そう、思った時――
「……あとは、杏に任せてよ」
そんな声と共に、エチケット袋を持つ手に小さな手が添えられた。
「――双葉さん?」
先程までグッタリとしていた筈の双葉さんが、決意の篭った眼差しでこちらを見ていた。
顔色は決して良いとは言えず、お世辞にも頼もしいとは言い難い。
だが、
「さっきはきらりが助けてくれたんだから、今度は杏の番っしょ」
双葉さんが浮かべた笑顔は、とても力強く、何よりも美しいものだった。
「……うっぷ、杏ちゃ……おえええっ!」
「ああもう、喋らないで良いよ……ほら、杏ときらりで、あんきらなんだからさ」
確かに、このバスの中は地獄かも知れない。
だが、地獄にも、花は咲くのだ。
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