過去ログ - LiPPS「MEGALOUNIT」
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100:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 14:03:05.48 ID:sXivYPE/0
「にゃっはっは♪ あれれーひょっとして奏ちゃん緊張してるー?」
ツンツンと、私の頬を指でつつく志希。
「どーやらすっごい人が集まってるみたいだけど、気楽に行こうよ。びーゆぁせるふ、けせらせら♪」
101:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 14:06:07.42 ID:sXivYPE/0
「改めてご紹介しましょう、346プロが繰り出す大型新規ユニット『LIPPS』の方々でーす!」
司会の女性が高らかに私達を紹介すると、先ほどまでの歓声がさらに大きく、会場を埋め尽くした。
102:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 14:09:10.92 ID:sXivYPE/0
「ふ、フレデリカちゃん! そういうの言っちゃ――!」
「それで、アタシは宮本フレデリカちゃんで、こちらはミカちゃんになりまーす☆」
「あっ、い、イェーイ! 今日も目一杯たのし――」
「アタシのケータイをヒデキっぽいカンジで暖めてくれてたんだよー☆」
「秀吉だっつーの!! それに暖めてないってば!」
103:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 14:10:03.86 ID:sXivYPE/0
こんな子達に、ペースを振り回されてなるものか。
そんな気概が私を奮い立たせ――!
104:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 14:11:43.18 ID:sXivYPE/0
結果的には、大成功と言えたのだろう。
346プロの新規ユニット『LIPPS』に、ヤバいヤツがいる――。
105:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 14:13:50.84 ID:sXivYPE/0
彼は私に目線を合わせる事無く、既に冷めているはずのコーヒーを手に取り、美味しそうに一口啜る。
すると、事務室のドアが急に開いた。
「プッロデュ〜サ〜♪ 見てよコレー、この志希ちゃんすーっごく扇情的じゃなーい?」
106:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 14:15:42.18 ID:sXivYPE/0
プロデューサーが言う事にも一理はある。
彼女達のおかげで、『LIPPS』はおよそ類い希な好スタートを切る事が出来たと言えるのだから。
107:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 14:17:47.50 ID:sXivYPE/0
芸能人は、好感を売り物にする職業だ。
たとえ新人が失礼な事をしても、それが舞台の上なら、“表面上は”何だかんだで笑って済ませる人が多い。
収録が終わった後、舞台裏で現場のディレクターやマネージャーを通してお叱りを受けるのは、決まって彼だった。
108:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 14:19:32.46 ID:sXivYPE/0
「そっかー、彼にアタシはメーワクを掛けてしまってるって事だねー」
同じ破天荒でも、フレデリカによるそれは、業界人から特に問題視されている様子は無い。
理由は分からないけれど、やや戸惑いながらも好意的に受け取ってくれる人が多いのだ。
109:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 14:23:06.21 ID:sXivYPE/0
事務所に着くと、1階のラウンジが騒がしい。
様子を見に行こうと近づくと、前から通りすがる一人の女性に声を掛けられた。
「おっ、奏じゃん」
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