過去ログ - LiPPS「MEGALOUNIT」
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90:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 13:47:23.67 ID:sXivYPE/0
「一ノ瀬っ! 何をしている、配置につきなさい!」
トレーナーが私達に檄を飛ばさない日は無いけれど、彼女へのそれは毎度際立っている。
「えー? もういいじゃん、十分頑張ったよアタシー」
91:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 13:48:53.60 ID:sXivYPE/0
「わぁーっ! シキちゃんすっごい上手ー、フレちゃんにもテルミー♪」
私達の中でも一際賑やかな声――フレデリカに至っては、ある意味では志希以上に常軌を逸している。
何せ彼女は、これまで一度足りとも、トレーナーの指示通りにレッスンをやり通した事が無いのだ。
92:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 13:50:20.77 ID:sXivYPE/0
「さすが、デザイナー志望なだけあってユニークな感性をお持ちやねーフレちゃんは」
皮肉なのか本音なのか分からない感想を周子が漏らす。
フレデリカや志希が怒られている間は休憩できるから助かる、とも以前言っていた。
93:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 13:51:16.16 ID:sXivYPE/0
「あっ、なるほどねー★ 火事場の馬鹿力、ってヤツ?
ていうか周子ちゃん、やっぱ本気じゃなかったんじゃん」
腰に手を当て、呆れたようにため息を吐く美嘉に、周子は笑いながら手を振る。
94:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 13:52:36.80 ID:sXivYPE/0
サンプルが出来上がり、レッスンが本格化しても私達は相変わらずだった。
私も、さすがに何度か注意しようと思ったけれど、この先に行われる“ジョーク”を思うと、余計な事はしない方が良い。
95:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 13:54:05.20 ID:sXivYPE/0
「またそういうの、するのか?」
さすがに、プロデューサーにまで内緒にしておく訳にはいかない。
想定している“ジョーク”の内容を話すと、彼は頭をクシャクシャと掻いた。
96:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 13:56:16.76 ID:sXivYPE/0
メンバーが増えたため、当日会場へは前回より大きめの車に乗る事になった。
「うーん、美嘉ちゃん今日は少し気合い入ってるカンジかにゃー?」
97:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 13:58:05.68 ID:sXivYPE/0
会場となるCDショップに着くと、駐車場から私達はスタッフ専用の通路を通り、控室に案内された。
控室と言っても、テレビ局や劇場等にある楽屋のようなものではなく、お店の備品が雑多に保管された横に白机とパイプ椅子が並べられた簡素なもの。
普段はスタッフの休憩室兼倉庫となっている部屋のようだった。
98:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 14:00:24.72 ID:sXivYPE/0
「いや、カメラは何台か来てるよ。一応、新曲の販促イベントだからね」
プロデューサーが訂正する。まぁ、あえて言わなくても良かったと思うけど。
「どう転ぶか知らんが、責任は俺が取る。適当にな」
99:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 14:01:30.88 ID:sXivYPE/0
会場の袖に向かうと、既に喧騒が聞こえてくる。
どうやら、私達の想定以上に観客が来ているらしい。
「ンンー? 何だか賑やかだねー」
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