過去ログ - LiPPS「MEGALOUNIT」
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118:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 14:48:04.00 ID:sXivYPE/0
【3】
(・)
「いや、でもねアリさん。マジでこれは俺、マジで言いますけど」
119:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 14:49:39.06 ID:sXivYPE/0
「えぇ?」
「あるいはもうちょいあっちのキャバクラでもいいッスよ。もっと女を求めていかねーと」
「いやいいですよ。ちょっと金無いですし、今」
「いいーッス俺が出しますから! アリさんは1アリさんだけ出してくれれば」
「1アリさん?」
120:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 14:51:26.49 ID:sXivYPE/0
346プロの敷地内には、中庭を囲むように大きく3つの建物がある。
エントランスホールやラウンジ、専用のスタジオ等がある本棟。
社員の事務室や会議室が集積された事務所棟。
アイドル達のレッスン室やリフレッシュルーム等が設けられたレッスン棟だ。
121:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 15:00:17.73 ID:sXivYPE/0
昨夜のダメージを引きずりながら椅子出しをしている時、総務から内線がかかった。
今度開かれるサマーフェスの会場設営を担当する業者が、折り入ってお願いがあると、飛び込みで社までやって来たらしい。
事業課からも誰か一人打合せに出席をしてほしいが、一課も二課も皆出払っているとのこと。
122:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 15:01:53.87 ID:sXivYPE/0
必死に工期延長を懇願する業者側を、烈火の如く叱責する広報課さんと営業課さん。
その横で俺は、資料の余白にペンを走らせる。
今月の給料日までに、一日いくらで暮らしていかねばならないのか?
123:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 15:03:26.68 ID:sXivYPE/0
会場に戻ると、狙い通り、準備は概ね一段落したようだった。
頭痛を堪えながら肉体労働するより、不毛な打合せに顔を出している方がよほど良い。
124:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 15:05:50.88 ID:sXivYPE/0
346プロには大きく、総務部、事業部、営業部、広報部という4つの部署がある。
総務部は管理課、経理課、人事課。
他の3部門は、本社内にそれぞれ一課から三課まである。
125:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 15:08:36.16 ID:sXivYPE/0
そして、研修会は研修で終わりではない。むしろここからが本番だ。
30分ほど設けられた休憩時間の間、大急ぎで再度会場準備が行われる。
126:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 15:12:37.09 ID:sXivYPE/0
一際小さいので逆に目立つのは、チビさんと彼の担当アイドル――持田さん、だっけか。
あぁいう若年層のアイドルは、家庭環境が特殊な子達が多い分、問題児の率が非常に高い。
それを一手に引き受けて、チビさんは実に上手く立ち回っている。昨日も彼の仕事の慰労会だった。
127:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 15:14:58.32 ID:sXivYPE/0
そして――。
一際大きな、文字通り黒山の人だかりの中央にいるのは、当然、一課。
128:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 15:16:13.00 ID:sXivYPE/0
課長がツカツカとこちらに近づき、お前んとこのアイドルはどうした、と詰め寄ってくる。
彼女達にはレッスンをやらせている旨を答えると、案の定小声で怒鳴られた。
何とか適当に取り繕い、喫煙所に逃げる。
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