過去ログ - LiPPS「MEGALOUNIT」
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155:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 16:07:39.71 ID:sXivYPE/0
 そこは、下手すりゃ熊が出るほどド田舎にある支社。

 都心部から電車で約2時間――青梅線の果てにある奥多摩支社の事業五課が、俺の前の配属先だった。


 目的の人物に会う前に、俺と入れ替わりでココに配属となったプロデューサーに声を掛けてみた。

 つまり、速水さんの前のプロデューサーだった人物だが、どうやら精神的に少し回復しているようだ。

 スカウトの調子を尋ねると、めぼしい人材は全然見つからないという。

 そりゃそうだ、そもそも人がいないしな。


 速水さんが特別扱いづらい、プロデューサー泣かせの子だとは思わない。

 ただ、人との関わり合いが特に多いこの業界、その軋轢に耐えきれず精神を病む人は我が社にも非常に多いのだ。

 奇妙な話だが、この奥多摩支社は、そんな鬱状態の一歩手前まで病んでしまった社員が回される救済施設的な役割も担っている。

 いわゆる閑職であり実績が上がらないにも関わらず、この支社が今なお奇跡的に解体を免れている理由の一つでもある。

 そして、理由はもう一つ――。


 ドアをノックし、久々に入った部屋には、変わらぬ支社長が手を上げて待っていた。



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