過去ログ - LiPPS「MEGALOUNIT」
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271:名無しNIPPER[saga]
2017/12/18(月) 00:35:43.81 ID:78VDBhPt0
 振り返ると、ムスっとした表情でこちらに歩いてくるあの人が、遠方に見える。

「にゃははー♪ やーっぱり怒ってる。人を怒らせるのは案外簡単かもね、これも一つの再現性。
 美嘉ちゃん、心当たり無い?」

以下略



272:名無しNIPPER[saga]
2017/12/18(月) 00:38:44.23 ID:78VDBhPt0
 ――ど、どういう事?

「ウブな“誰かさん”に気づかれないよう、せっかく段取りをしていたのに、余計なお節介から今日その子に誘われちゃって、断るに断りきれず、無理矢理ダブルブッキングを敢行していたとしたら?」


以下略



273:名無しNIPPER[saga]
2017/12/18(月) 00:42:09.16 ID:78VDBhPt0
「いやいや、そんな器用な人じゃないと思うよさすがに」


 夕食時という事もあり、ふらっと入ったファミレスは十分広いにも関わらず、ほとんど満席だった。
 それでも、さほど順番待ちもしないで、ちょうど窓際の奥の方に座れたのはラッキーだったと思う。
以下略



274:名無しNIPPER[saga]
2017/12/18(月) 00:44:58.68 ID:78VDBhPt0
「おっ。はい、奏先生」
 ひょうきんに周子ちゃんが手を挙げた。
「何かしら、周子さん?」

「逆に考えたらどう? ほら、元々美嘉ちゃんは志希ちゃんとプロデューサーの仲を取り持とうとしたワケでしょ?
以下略



275:名無しNIPPER[saga]
2017/12/18(月) 00:48:11.35 ID:78VDBhPt0
「ごめん、って謝ったということは、あの人にも後ろ暗い、やましい思いがあったのかも知れないわね」
 アタシの携帯の画面を見ながら、冷静に奏ちゃんが分析をすると、周子ちゃんが蠅を払うように手を振った。

「無い無い。何かよく分からないけどとりあえず謝っときゃいいだろ、ぐらいなもんでしょきっと。
 あたし自身そうだから分かるけど、あの人思った以上にテキトーだよ」
以下略



276:名無しNIPPER[saga]
2017/12/18(月) 00:51:05.77 ID:78VDBhPt0
「あのさ、皆。一つ確認なんだけど――あの人にスカウトされたのって、この中だと誰がいたっけ?」

 スプーンを持つ手を止め、皆がアタシの方に顔を向けた。

「えーと、あたし――あれ、あたしだけ?」
以下略



277:名無しNIPPER[saga]
2017/12/18(月) 00:54:09.37 ID:78VDBhPt0
「えっ? い、いやぁ――」
 一瞬戸惑い、周子ちゃんは首の後ろを掻いて、天井を見上げた。

「あら、照れているの?」
「そりゃーねぇ? っていやいや違うって」
以下略



278:名無しNIPPER[saga]
2017/12/18(月) 00:59:17.48 ID:78VDBhPt0
「じゃあフレちゃんさ、志希ちゃんが美嘉ちゃんにヘンな事言ったのも楽しいから?」
 周子ちゃんが尋ねると、フレデリカちゃんは笑顔で答える。
「フレちゃんもおんなじ事するかも?」

「えぇっ!?」
以下略



279:名無しNIPPER[saga]
2017/12/18(月) 01:03:55.45 ID:78VDBhPt0
 翌日のレッスン前、昨日の事を話してみると、志希ちゃんはアッサリと白状した。

「いやー美嘉ちゃんホントごめんね? まさかあそこまで真に受けるなんて予想外でさー」

 話を聞くと、志希ちゃんはアタシの真面目さ、純粋さがどれほどか確認してみたかったのだという。
以下略



280:名無しNIPPER[saga]
2017/12/18(月) 01:06:17.81 ID:78VDBhPt0
 あれ以来、お仕事はすごく順調にこなしている。

 冬物のお仕事が増えたのもあるけど、拓海さんのアドバイスもあって、胸をそれほどコンプレックスに思わずにいられた。

 出演する全国ネットの音楽番組に向けたレッスンでは、アタシが皆に気づいた点をアドバイスする事で、ユニットに貢献できている。
以下略



281:名無しNIPPER[saga]
2017/12/18(月) 01:09:13.06 ID:78VDBhPt0
 その日は、大会本番で歌う新曲の試聴会を皆でする事になっていた。

 事務室に行くと、奏ちゃんと周子ちゃんがソファーでくつろいでる。
 プロデューサーが見当たらないから二人に聞いてみると、偉い人に呼ばれてどこかに行ったみたい。

以下略



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