過去ログ - LiPPS「MEGALOUNIT」
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276:名無しNIPPER[saga]
2017/12/18(月) 00:51:05.77 ID:78VDBhPt0
「あのさ、皆。一つ確認なんだけど――あの人にスカウトされたのって、この中だと誰がいたっけ?」
スプーンを持つ手を止め、皆がアタシの方に顔を向けた。
「えーと、あたし――あれ、あたしだけ?」
277:名無しNIPPER[saga]
2017/12/18(月) 00:54:09.37 ID:78VDBhPt0
「えっ? い、いやぁ――」
一瞬戸惑い、周子ちゃんは首の後ろを掻いて、天井を見上げた。
「あら、照れているの?」
「そりゃーねぇ? っていやいや違うって」
278:名無しNIPPER[saga]
2017/12/18(月) 00:59:17.48 ID:78VDBhPt0
「じゃあフレちゃんさ、志希ちゃんが美嘉ちゃんにヘンな事言ったのも楽しいから?」
周子ちゃんが尋ねると、フレデリカちゃんは笑顔で答える。
「フレちゃんもおんなじ事するかも?」
「えぇっ!?」
279:名無しNIPPER[saga]
2017/12/18(月) 01:03:55.45 ID:78VDBhPt0
翌日のレッスン前、昨日の事を話してみると、志希ちゃんはアッサリと白状した。
「いやー美嘉ちゃんホントごめんね? まさかあそこまで真に受けるなんて予想外でさー」
話を聞くと、志希ちゃんはアタシの真面目さ、純粋さがどれほどか確認してみたかったのだという。
280:名無しNIPPER[saga]
2017/12/18(月) 01:06:17.81 ID:78VDBhPt0
あれ以来、お仕事はすごく順調にこなしている。
冬物のお仕事が増えたのもあるけど、拓海さんのアドバイスもあって、胸をそれほどコンプレックスに思わずにいられた。
出演する全国ネットの音楽番組に向けたレッスンでは、アタシが皆に気づいた点をアドバイスする事で、ユニットに貢献できている。
281:名無しNIPPER[saga]
2017/12/18(月) 01:09:13.06 ID:78VDBhPt0
その日は、大会本番で歌う新曲の試聴会を皆でする事になっていた。
事務室に行くと、奏ちゃんと周子ちゃんがソファーでくつろいでる。
プロデューサーが見当たらないから二人に聞いてみると、偉い人に呼ばれてどこかに行ったみたい。
282:名無しNIPPER[saga]
2017/12/18(月) 01:14:32.00 ID:78VDBhPt0
「シキちゃんいないカンジ?」
フレデリカちゃんが辺りをキョロキョロ見回し、冷蔵庫を開けた。
「いやいや、そん中にはおらんでしょ」
「シキちゃんたまにすごいことするからねー」
283:名無しNIPPER[saga]
2017/12/18(月) 01:17:30.74 ID:78VDBhPt0
「しかし、遅いわね、プロデューサー」
奏ちゃんがチラッと壁に掛かった時計に目を向けた。
予定された時間から、15分ほど経っている。
志希ちゃんが時間、というか予定そのものにルーズなのは知ってるから別にいいけど――いや良くないけど。
284:名無しNIPPER[saga]
2017/12/18(月) 01:20:00.57 ID:78VDBhPt0
確か事務所棟の、上から二つ目の階だったはず。
ボタンを押して、到着したエレベーターに乗ると、後からもう一人、男の人が入ってきた。
「何階ですか?」
285:名無しNIPPER[saga]
2017/12/18(月) 01:24:46.89 ID:78VDBhPt0
エレベーターが止まった。
開くボタンを押して、先に勧めると、その人は不揃いな前歯をニカッと見せて手刀を切った。
たまたま歩く方向が一緒だから、何となく後ろをついて行く形になる。
ますます気になる。わざとペースを落とし、距離を取った。
286:名無しNIPPER[saga]
2017/12/18(月) 01:27:49.12 ID:78VDBhPt0
考えているウチに、前の方にある部屋の扉が開いた。
あ、プロデューサーだ。
いつの間に、常務の部屋の近くまで歩いてたんだ。
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