過去ログ - LiPPS「MEGALOUNIT」
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321:名無しNIPPER[saga]
2017/12/18(月) 21:07:01.65 ID:78VDBhPt0
「そうだね」
確かに、プロデューサーさんとあたしとの話は、くだらないどうでもいい話ばかりだったと思う。
レッスンキツいなー、お仕事メンドっちぃなー、って愚痴をお互い言い合ったり。
322:名無しNIPPER[saga]
2017/12/18(月) 21:11:23.10 ID:78VDBhPt0
――は?
「何言ってんの? プロデューサーさんが志希ちゃんに言ったんじゃないの?」
「言う訳無いだろ、そんな事。
第一、俺は都合の悪い事を言わないヤツだって、君がさっきそう言ったばかりじゃないか」
323:名無しNIPPER[saga]
2017/12/18(月) 21:12:37.13 ID:78VDBhPt0
「当事者に聞いてみない事には、どうしようもないな」
プロデューサーさんは席を立ち、伝票を手に取った。
「えっ、どこ行くの?」
324:名無しNIPPER[saga]
2017/12/18(月) 21:15:12.39 ID:78VDBhPt0
「346プロダクション事業部事業三課と申します。
303号室にお住まいである一ノ瀬志希さんの、仕事上の監督をしている者です」
事務所から志希ちゃんのマンションまでは、大体30分くらい。
325:名無しNIPPER[saga]
2017/12/18(月) 21:17:46.21 ID:78VDBhPt0
奥に引っ込んだ管理人さんが、慌てた様子で戻ってきた。
管理人さんからの電話にも出ないみたい。
管理人さん立ち会いの元で、部屋を開けてもらえないかお願いすると、OKしてくれた。
たぶん、すごく良くない事を想像しちゃってんだろうな。
326:名無しNIPPER[saga]
2017/12/18(月) 21:20:00.90 ID:78VDBhPt0
「中に入っても、よろしいでしょうか」
プロデューサーさんが聞くと、管理人さんは自分の後に続くよう促したので、それに従いあたしらも入った。
327:名無しNIPPER[saga]
2017/12/18(月) 21:23:51.47 ID:78VDBhPt0
「彼女の足跡の手がかりとなるものが無いか、調べさせていただけませんか」
我々だけで――と、最後にプロデューサーさんはそう付け加えて、管理人さんに頼み込んだ。
第三者には見られたくないものも、ふとした拍子に出てくる可能性もあるよね。
328:名無しNIPPER[saga]
2017/12/18(月) 21:25:43.79 ID:78VDBhPt0
「そ、それは、さ――」
気まずくなったあたしは、奏ちゃんに助けを求めてみるけど、彼女も俯いてだんまりを決め込んでいる。
329:名無しNIPPER[saga]
2017/12/18(月) 21:35:43.62 ID:78VDBhPt0
ところで、話変わるけど――あたし達の事務所に、小早川紗枝ちゃんって子がいるんだよね。
あたしと同じ京都出身の子で、紗枝はん、周子はんって呼び合う友達同士。
330:名無しNIPPER[saga]
2017/12/18(月) 21:39:18.01 ID:78VDBhPt0
「――ありがとう、よく分かったよ」
両方の頬を交互に押さえながら、プロデューサーさんはヨロヨロと立ち上がった。
「私達に殴られても良いように、わざわざ自分から近づいてきた事については認めるわ」
331:名無しNIPPER[saga]
2017/12/18(月) 21:43:39.86 ID:78VDBhPt0
「!? それは――」
確かに、そうだ。
ザッと見渡して、志希ちゃん家にはゴミ箱が3つある。
でも、台所のそばの脱衣所にあるゴミ箱には、あの日あたし達はたこ焼きパーティーで散々ゴミをそこに捨てた。
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