過去ログ - LiPPS「MEGALOUNIT」
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392:名無しNIPPER[saga]
2017/12/19(火) 00:58:53.39 ID:Ae62FiCR0
「そう」

 おばあちゃんは、否定も肯定もしなかった。黙って、アタシの次の言葉を待っているようだった。

「アタシは――」
以下略



393:名無しNIPPER[saga]
2017/12/19(火) 01:01:17.19 ID:Ae62FiCR0
 頬杖をつき、窓の外を眺める。

 アタシと同い年くらいの女の子三人グループが、キャッキャと笑いおどけながら歩道を歩いて行くのが見える。

「ラクだけど、つまんなかった。
以下略



394:名無しNIPPER[saga]
2017/12/19(火) 01:03:54.77 ID:Ae62FiCR0
 外に向けていた顔をふと正面に直すと、そこにはやっぱり笑顔があった。
 何でこんな――。

「何があったかは知らないケレド、そのミカちゃんって子と志希ちゃんはお友達だと思うワ」

以下略



395:名無しNIPPER[saga]
2017/12/19(火) 01:06:20.68 ID:Ae62FiCR0
 美嘉ちゃん――きっとまだ、怒ってるんだろうな。
 ストイックに仕事と向き合ってきた彼女にとって、アタシの言動は許されざるものだったはずだ。


 ダメだよ。
以下略



396:名無しNIPPER[saga]
2017/12/19(火) 01:08:25.62 ID:Ae62FiCR0
「何でも思いようになるなら、アタシ、こんな嫌な思いしてるはずないと思うよ?」

「自分の気持ちに正直に生きる、という事ヨ」

 おばあちゃんは、組んでいた手を解き、それを私に差し出した。
以下略



397:名無しNIPPER[saga]
2017/12/19(火) 01:09:39.66 ID:Ae62FiCR0
「雨が降るね」

 外に出ると、空気が湿っている。風が運んでくるそれは、嵐の匂いだ。

「天気予報?」
以下略



398:名無しNIPPER[saga]
2017/12/19(火) 01:12:18.84 ID:Ae62FiCR0
「図々しく生きたモン勝ちだ、なんてさっき言ってたけど――アタシ以上に図々しい子なんて、いないよ」

 おばあちゃんの半歩先を歩く。向こうに見える大通りは今日も、どこへ向かうというのか、人も車も慌ただしい。


以下略



399:名無しNIPPER[saga]
2017/12/19(火) 01:14:51.83 ID:Ae62FiCR0
「志希ちゃんは、優しい子ネェ」

 せっかく笑ってみせたのに、おばあちゃんの笑顔は先ほどとそんなに変わらない。
「優しい?」

以下略



400:名無しNIPPER[saga]
2017/12/19(火) 01:17:33.31 ID:Ae62FiCR0
「おばあちゃん――」

 大通りに向かって、おばあちゃんは歩き出す。

「やっぱり、タクシーに乗るワ。膝が痛くテネェ、ボッタクリでもいいカラ、ラクしたいノヨネェ、オホホ」
以下略



401:名無しNIPPER[saga]
2017/12/19(火) 01:18:17.09 ID:Ae62FiCR0
 おばあちゃんを見送ってから、アタシは当初の目的地へ再度歩き出す。

 彼らに一部始終を伝えれば、悪い人達は世間の目によって裁かれ、LIPPSは救われる。

 多少は346プロも揺れるだろうけど、マスメディアにも強いパイプを持つ事務所の力を考えれば、さしたる問題は無い。
以下略



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