過去ログ - LiPPS「MEGALOUNIT」
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449:名無しNIPPER[saga]
2017/12/19(火) 23:45:46.20 ID:Ae62FiCR0
常務は大きくため息を吐き、プロデューサーを睨み付ける。
「私には、君が体よく厄介事を回避したがっているようにしか見えないがな」
「ハハハ」
プロデューサーは何も答えず、バツが悪そうに頭を掻いた。
450:名無しNIPPER[saga]
2017/12/19(火) 23:48:19.74 ID:Ae62FiCR0
「妨害工作、ねぇ?」
ヤァさんが首に手を当て、ゴキゴキと乱暴に関節を鳴らす。
「めんどっちぃよなぁ。ホント、ダセェ事しかしねェ、あの事務所」
451:名無しNIPPER[saga]
2017/12/19(火) 23:52:01.67 ID:Ae62FiCR0
「いや、うん――しかし、本当に疲れたな」
プロデューサーは、いつの間にか携帯を弄っている。
「速水さん。何か着信残ってる?」
452:名無しNIPPER[saga]
2017/12/19(火) 23:54:35.50 ID:Ae62FiCR0
「付き合わせてすまなかった。今日はもう遅いし、外もこんなだから、タクシー呼ぶよ」
そう言って、プロデューサーは一万円札を私に差し出した。
「あの、タクシーなら事務所と契約してる会社をそこから呼べますけど」
453:名無しNIPPER[saga]
2017/12/19(火) 23:58:00.07 ID:Ae62FiCR0
「片や大事な仕事はすっぽかす」
外を見やったまま、プロデューサーは思い出したようにポツリと呟いた。
「片やメンバーの頬をひっぱたき、片や遅刻の常習犯。何かにつけて噛み付いてくる、君のような子もいる。
454:名無しNIPPER[saga]
2017/12/19(火) 23:59:54.90 ID:Ae62FiCR0
「いや、いいんだ。速水さん」
プロデューサーが少し屈んで、私の両肩に手を乗せた。
顔を上げると、今まで接してきた中で、一番優しい彼の姿がそこにあった。
455:名無しNIPPER[saga]
2017/12/20(水) 00:02:16.50 ID:m6szqZZ10
「あなたは、どうしてプロデューサーになったの?」
「――後はアリさん、LIPPSをよろしく頼む」
456:名無しNIPPER[saga]
2017/12/20(水) 00:04:16.65 ID:m6szqZZ10
【9】
(♪)
シキちゃーん! シキちゃーん!
457:名無しNIPPER[saga]
2017/12/20(水) 00:07:54.21 ID:m6szqZZ10
(♡)
「――フレちゃん」
振り返ると、案の定いつもと変わらない満面の笑みの彼女がそこにいた。
458:名無しNIPPER[saga]
2017/12/20(水) 00:09:51.10 ID:m6szqZZ10
アタシの問いなど歯牙にもかけず、フレちゃんは外をチラッと見たので、アタシも一応それに倣う。
途端、ピカッと空が光り、それを照らしたでっかい白熱電球がそのまま落っこちてきたような凄まじい轟音が鳴り響いた。
「うひゃあっ、ホントに雷鳴っちゃった! おヘソ隠しておヘソ!
459:名無しNIPPER[saga]
2017/12/20(水) 00:14:27.20 ID:m6szqZZ10
フレちゃんのくだらなくて楽しいフリには答えず、アタシは踵を返して駅の改札に向かおうとする。
「お待ちください、一ノ瀬さん」
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