過去ログ - LiPPS「MEGALOUNIT」
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562:名無しNIPPER[saga]
2017/12/20(水) 22:39:47.25 ID:m6szqZZ10
レッスンの休憩中、いつものように、フレデリカがクーラーボックスからドリンクを取り出し、皆に手渡していく。
いつもと違うのは、その相手が私達だけでなく、187プロの子達に対しても行っているという点だ。
「あ、み、宮本さん私――」
563:名無しNIPPER[saga]
2017/12/20(水) 22:42:19.99 ID:m6szqZZ10
「うわぁっ! サヤちゃん今のステップどうやったの!?
魔法だよ魔法、フレちゃんにも教えて? こう、右足? 右足を左足にするカンジ? えっ、魔法!?」
「ミナちゃん、すっごい声キレイだねー! そうだ、カナデちゃんもそうだったけど、腹筋すごかったりする!?
564:名無しNIPPER[saga]
2017/12/20(水) 22:49:59.20 ID:m6szqZZ10
レッスンが終わり、着替えてレッスン室を後にしようとした矢先、プロデューサーの声が聞こえた。
中を覗くと、プロデューサーがトレーナーさんと何やら話をしている。
私と周子と美嘉は、こっそり聞き耳を立てた。フレデリカは、ジュースを買いに行くと言って先に出ている。
565:名無しNIPPER[saga]
2017/12/20(水) 22:51:49.70 ID:m6szqZZ10
187プロの子達の、フレデリカに振り回されながらも打ち解けてしまっている様は、演技とも思えない。
どうやら187プロによる嫌がらせは今後、ネット上のそれを重点的に警戒していくのが良さようね。
となると、残る当面の問題は、私達が当日までにしっかり仕上がるかという事だけ。
566:名無しNIPPER[saga]
2017/12/20(水) 22:54:02.80 ID:m6szqZZ10
ここ最近、同じ事をトレーナーさんから言われている。
他の子達も、順風満帆とは行かないようで、美嘉でさえ「候補生からやり直せ」などと叱られるほどだ。
あくまで私の場合は、だけれど――トレーナーさんの指摘は、本当だった。
私は、手を抜いている。
567:名無しNIPPER[saga]
2017/12/20(水) 22:56:22.99 ID:m6szqZZ10
レッスンが終わり、軽い夕食を取った後で、再びレッスンルームに集合する。
“秘密特訓”の時間だ。
私の体力は、この時のために取っておいてある。
568:名無しNIPPER[saga]
2017/12/20(水) 22:59:08.51 ID:m6szqZZ10
「はぁ、はぁ――――!」
時計の針は、夜の11時を回っていた。
仕事の合間を縫い、普段のレッスンとは別に行うものだから、どうしてもこういう時間帯になる。
569:名無しNIPPER[saga]
2017/12/20(水) 23:01:12.45 ID:m6szqZZ10
「皆はもう、帰ったのか?」
「美嘉も、終電だったし」
「ふーん」
プロデューサーは自販機にお金を入れ、けだるそうにボタンを二つ押した。
570:名無しNIPPER[saga]
2017/12/20(水) 23:05:59.82 ID:m6szqZZ10
「だから、プロデューサ――」
「新しいプロデューサーは、どうだ。良い人だろ?」
私の言葉を遮って、彼は逆に質問してきた。
どうやら、私の聞きたかった事は、彼にとってあまり都合の良くない話らしい。
571:名無しNIPPER[saga]
2017/12/20(水) 23:08:06.10 ID:m6szqZZ10
「ところで、足、大丈夫か?」
「――えっ?」
急に聞かれ、私の体が跳ねてしまう。
572:名無しNIPPER[saga]
2017/12/20(水) 23:10:20.85 ID:m6szqZZ10
時間を掛けて、革靴を慎重に脱ぐ。
靴下がそれにかかる時、息が詰まりそうになるのを必死で堪えながら、私は何とかそれをプロデューサーに曝け出した。
「――爪か。捻挫とかは、内側は痛めてないか?」
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