過去ログ - LiPPS「MEGALOUNIT」
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576:名無しNIPPER[saga]
2017/12/20(水) 23:22:50.60 ID:m6szqZZ10
 (・)

「いや〜ご多用の中お時間いただきましてありがとうございます〜。えぇ、私、お電話でお話させていただきました――!」


以下略



577:名無しNIPPER[saga]
2017/12/20(水) 23:25:21.09 ID:m6szqZZ10
「えっ――他の自治体でも、このような事業に参加した事例があるのですか?」

 窓口で鬱陶しそうに俺の話を聞いていたハゲ面の中年職員が、少し反応した。

「そうなんですよぉ〜意外でしょう? 例えば東京都さんですとか、あとは23区ですと千代田区さん、中央区さん――」
以下略



578:名無しNIPPER[saga]
2017/12/20(水) 23:27:27.56 ID:m6szqZZ10
「こちらですと、出演者をというより、会場をより強調してご案内する形になろうかと存じます。
 ご指摘いただきました、公平性という面においても、宣伝の主題を会場とするこのレイアウトであれば、解消されるのではないかと」

 と言いつつ、下部に寄せた出演アイドルの写真は、ちゃっかりLIPPSが真ん中だ。

以下略



579:名無しNIPPER[saga]
2017/12/20(水) 23:29:20.14 ID:m6szqZZ10
 握り拳を口元に当て、少し唸った後、職員はとりあえずと言った様子で渋々頷いた。

「他の自治体にもヒアリングをして、こちらとして支障が無いと判断できましたら、いただいたチラシと併せて掲示しておきます」

「ありがとうございます。その際は、お手数ですが私にもご一報いただければ幸いです」
以下略



580:名無しNIPPER[saga]
2017/12/20(水) 23:32:01.86 ID:m6szqZZ10
 課長からは、新たなアイドルをスカウトしてこいとのお達しを受けている。

 だが、当然に俺はそれをする気などサラサラ無かった。

 一方で、俺が今行っているのは、俺が最も嫌いな仕事でもあるというのが、どうにもままならない。
以下略



581:名無しNIPPER[saga]
2017/12/20(水) 23:34:45.82 ID:m6szqZZ10
 数年おきに転職を繰り返してきた俺には、培ってきたスキルなど何一つ無い。

 あるとすれば、色んな業界を渡り歩く中で得た、各方面の浅い知識と、浅い人間関係。

 それだけが俺の武器だった――いや、今はそれを武器にしなくてはならない。
以下略



582:名無しNIPPER[saga]
2017/12/20(水) 23:37:24.67 ID:m6szqZZ10
「――その呼び方はやめてください」
「ハッハッハ、水くさいことを言うな、元気にしていたかね?
 ん? 君はもうここの職員じゃないのか」

 その爺さんは、何かの契約のための印鑑証明を取りに来ていたらしい。
以下略



583:名無しNIPPER[saga]
2017/12/20(水) 23:41:36.14 ID:m6szqZZ10
 ――――。

 まさか、またここに来ることになるとは――。


以下略



584:名無しNIPPER[saga]
2017/12/20(水) 23:43:51.27 ID:m6szqZZ10
 ピーというあだ名は、この人が付けたものだった。

 配属されて三ヶ月ほど経った頃、現場にてバーベキュー大会が催されたのだ。

 てっきり、車を出せる人ので数台乗り合わせて、どこかの河原か山で行うものとばかり思っていたが、全然違った。
以下略



585:名無しNIPPER[saga]
2017/12/20(水) 23:48:16.99 ID:m6szqZZ10
「よーく洗っといたから心配すんな、ワハハ!」

 いや不衛生にもほどが無いっすか!? という俺の心の叫びは当然無視されて、宴会が始まった。


以下略



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