過去ログ - LiPPS「MEGALOUNIT」
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638:名無しNIPPER[saga]
2017/12/22(金) 20:38:29.79 ID:vQzT5qlo0
「あっ――あ――?」
コツコツと、ピカピカの革靴の底を鳴らし、黒スーツが俺に近づく。
紫金糸は、俺の拘束を乱暴に解いて、黒スーツに俺を委ねたようだった。
「悪いことをしたら、謝らなければならない。
照明装置を舞台の上に落とす事は、悪いことだ。
人が怪我するかも知れないし、関係者にも迷惑がかかる。そうだね?」
ニコッと一瞬だけ笑った後、黒スーツの男はグラサンを取った。
異様としか言いようのない眼光だった。
目の黒い部分が以上に小さく、最初何かの病気かと一瞬思ったが、そんな心配などしている余裕は無かった。
黒スーツは、グラサンを胸ポケットにしまいながら首をゴキゴキと鳴らし、俺に顔を近づけた。
「なぁ、お兄さん――こういう時、どう落とし前を付けたらいいのか、あんたも大人なら分かるよなぁ?」
あぁ、終わったな。
俺はもう、五体満足で――生きてこの会場を出る事は無いのだなと悟った。
あれかな、東京湾に沈められるのかな?
膝から崩れ落ちそうになった俺を、紫金糸がにこやかに支えた。
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