過去ログ - LiPPS「MEGALOUNIT」
↓ 1- 覧 板 20
664:名無しNIPPER[saga]
2017/12/22(金) 22:01:35.61 ID:vQzT5qlo0
「おかしな事を、か――」
否定も肯定もしないが、俺には君達にこう言うより他に仕方が無い。
言っても無駄か――確かに、夢に燃える10代の女の子達に、消化試合しか残されていないおっさんの説教など、ナンセンスかもな。
665:名無しNIPPER[saga]
2017/12/22(金) 22:03:55.89 ID:vQzT5qlo0
塩見さんのお察しの通り、187プロの仕業と見て間違いないだろう。
常務め、何が心配は要らないだ。危うくステージが台無しになるところだ。だから言ったのに――。
「ありがとう。俺が責任持ってスタッフに渡しておくよ」
666:名無しNIPPER[saga]
2017/12/22(金) 22:05:37.88 ID:vQzT5qlo0
訝しげにそれを見つめる俺に塩見さんが声をかけ、俺はようやく顔を上げた。
「あ、あぁ――あ、最後に」
そういえば、一つ言い忘れていた事があったのを思い出した。
667:名無しNIPPER[saga]
2017/12/22(金) 22:13:41.95 ID:vQzT5qlo0
舞台裏に行き、スタッフに事情を説明すると、やはりLIPPSのCDだけが紛失していたらしい。
平身低頭して謝るスタッフをなだめ、不審者にくれぐれも気をつけるよう依頼をして、俺は会場に向かった。
668:名無しNIPPER[saga]
2017/12/22(金) 22:15:20.05 ID:vQzT5qlo0
346プロのターンになった。
さすが最大手だけあり、事務所の規模は、先ほどまで紹介された他社とは頭二つ以上違う。
そんな事はどうでも良い。問題は――お、アイドル紹介だ。
669:名無しNIPPER[saga]
2017/12/22(金) 22:19:57.35 ID:vQzT5qlo0
最初は、塩見さんか――彼女は心配無いだろう。どうせ内容の薄い事しか話さない。
ほら。彼女は意外と保守派で、必要以上の事はしないものだ。
次は、城ヶ崎さんか――あぁ、彼女も問題無さそうだ。愛嬌も良いし、さすがにソツが無い。
670:名無しNIPPER[saga]
2017/12/22(金) 22:21:30.85 ID:vQzT5qlo0
346の番が終わり、次の事務所に映像が移ったのを見て、俺は思わず深いため息を漏らした。
心臓に悪い――まだ出番でもないうちからこれでは、本番のステージではどうなる事か知れない。
671:名無しNIPPER[saga]
2017/12/22(金) 22:24:34.63 ID:vQzT5qlo0
「舞台袖に一人しか立ち会えない?」
唐突な説明に、思わず大きくなった俺の声が舞台裏に響いた。
「事前に申請いただいた方のみ、本番中の舞台袖での待機をご案内しておりますが―一。
672:名無しNIPPER[saga]
2017/12/22(金) 22:31:16.99 ID:vQzT5qlo0
「仕方がありませんよ、セキュリティ上の問題もあるようですし」
しつこく食い下がろうとする俺をなだめるように、アリさんが手を振った。
「現に、先ほど我々LIPPSの音源CDが紛失したという事件もありました。
673:名無しNIPPER[saga]
2017/12/22(金) 22:34:28.63 ID:vQzT5qlo0
「私が、その余った客席に?」
つまり、一般客に紛れて観てろってことか?
「良いんじゃないですか? こう言ってはなんですが、他にどうしようも無いんですし。
674:名無しNIPPER[saga]
2017/12/22(金) 22:47:13.21 ID:vQzT5qlo0
客席に行って自分の席を見つけた瞬間、俺は恣意的な何かを強く悟った。
「――おっと、こりゃ失敬。あっためておきましたぜ」
769Res/709.86 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。