過去ログ - LiPPS「MEGALOUNIT」
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680:名無しNIPPER[saga]
2017/12/22(金) 23:09:41.43 ID:vQzT5qlo0
そして――まだ暗いままだが、シルエットで誰が誰かは何となく分かる。
まさに今、舞台の上に姿を現した彼女達の姿を見て、ようやく気づいた。
681:名無しNIPPER[saga]
2017/12/22(金) 23:14:42.23 ID:vQzT5qlo0
急な横槍に呆気にとられる俺を尻目に、高垣さんは舞台の上を見つめたまま続ける。
どうやら、彼女達は配置に付いたらしい。
682:名無しNIPPER[saga]
2017/12/22(金) 23:15:30.97 ID:vQzT5qlo0
――彼女だったか。俺の夢に出てきたのは。
楽しむ、か――。
683:名無しNIPPER[saga]
2017/12/22(金) 23:18:36.76 ID:vQzT5qlo0
舞台上の背面に設けられた反響板の裏手には、作業用の通路がある。
予めステージを下調べしておきたいと、謹慎が明けてのち会場側に相談したら、快く応じてくれた。
彼女から頼まれた事でもあったが、前職の手前、個人的な興味もあり、そこそこ楽しく見させてもらった。
684:名無しNIPPER[saga]
2017/12/22(金) 23:24:57.56 ID:vQzT5qlo0
スタッフに打診してみると、反響板の下に潜る事は危険であり、許可できないとのことだった。
確かに、もし反響板を吊ってる装置が不具合を起こし、落下して下敷きにでもなったら大惨事である。
それでも俺は、何かあっても346プロが全責任を負うと、上司への相談も無しに単独パワープレイで押し切った。
685:名無しNIPPER[saga]
2017/12/22(金) 23:27:46.35 ID:vQzT5qlo0
――会場がどよめく。
いつの間にか、舞台の上にいるのは4人だけではない事に、観客が気づき始めたようだ。
686:名無しNIPPER[saga]
2017/12/22(金) 23:30:30.06 ID:vQzT5qlo0
(♡)
いつだってアタシは鼻つまみ者だった。
優位に立つ度、一緒にいる人を不快にさせる事しかできなくて、だから、テキトーぶってた。
687:名無しNIPPER[saga]
2017/12/22(金) 23:35:51.67 ID:vQzT5qlo0
(・)
舞台の上、城ヶ崎さんは、交差させていた両手の影に隠した顔を俯かせ、やがて肩を震わせた。
背後に現れた彼女の気配を悟ったのだろう。ポージングしたまま、泣くのを必死に堪えているようだった。
688:名無しNIPPER[saga]
2017/12/22(金) 23:40:25.57 ID:vQzT5qlo0
もっとも、レッスンは5人編成のままの配置で行われたから、城ヶ崎さんには実際バレバレだったのかも知れない。
だが、もしやと思っていたとしても、実際その場に立ってみるまで確信を得る事は出来なかっただろう。
689:名無しNIPPER[saga]
2017/12/22(金) 23:44:34.80 ID:vQzT5qlo0
そんな事を考えていた。
城ヶ崎さんの震えていた肩が、ピタッと止まった。
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