過去ログ - LiPPS「MEGALOUNIT」
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69:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 12:38:24.40 ID:sXivYPE/0
「アタシあまりケータイって苦手でさー? 友達からも未だにガラケー使ってんの、チョーバカにされちゃうの☆
 アハハ、面白い? アタシは面白いなー、だってねー見てよ、もうハゲ過ぎて元の色わかんないし♪」

 朝、仕事や通学のため激しく行き交う駅のコンコースのど真ん中で、曰く“命の恩人”たる私に、彼女はまるで発情期を迎えたハチドリのようにまくし立てた。

「命と同じくらい大事なものなら、落とさないようもっと気をつけるべきではないかしら」

 低血圧の私には、朝からこのテンションはキツい。
 思わず、少し嫌みたらしく言ってしまったけれど、彼女は全く意に介する素振りも見せず、

「だよねー? 管理体制ずさんー、もっと無くさない所に入れとくべきだよねー♪
 あなたのケータイはどこから? アタシは鼻から」
「ぶふっ」
「うっそーん☆ あ、そういや女の人が赤ちゃん産む時って、鼻からスイカを捻り出すのと同じくらい痛くて大変だって言うけど、昔はそうして鼻からスイカ出す人もいたのかな?
 想像できないよね、だってフレちゃんやった事無いもん。うどんですら無いし。あっゴメンゴメン、さすがに今日はガッコー行かなきゃ。
 鼻水出てるからちゃんとティッシュでお鼻チンした方がいいよー、フレちゃんの鼻セレブ一枚あげるね? じゃーねーアデュー♪」


 名前は“フレちゃん”というらしい。
 くどいほどに彼女のキャラクターを理解できた朝の数分間だった。

 鼻をかみながら、私は次の日から電車を一本早める事を強く決意する。
 二度と彼女に会ってはならない。



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