過去ログ - LiPPS「MEGALOUNIT」
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707:名無しNIPPER[saga]
2017/12/23(土) 00:47:26.91 ID:qh1EHTqN0
「――トンカチしか持った事ない親父に、何が分かんだよ」

 ヤケを起こしたように、半分以上入っていたグラスを一息に飲み干す。
 さすがに応えたようで、せがれは一際大きなため息を吐いた。

 黙って注いでやる。

「あまり飲みすぎないデヨ〜」

 そう言って家内は席を立ち、残っている皿以外を片付け、台所へと消えていく。



「親父」

 二人だけになった食卓で、せがれが急に改まって俺の方を向いた。

「母さんから聞いたよ――昔、親父が職長を殴ったって話の、理由というか」

「それが何だ」
「いや――」

 バツが悪そうに、頬を掻いて、せがれが笑った。

「俺も、今の職場で、似たような事をしてさ――母さんに聞いたら、親父も、似たような理由だったんだな、って」


 あの時は、俺も若かった。
 体の弱いせがれを馬鹿にする職長など、無視してしまえば、それ以上は何も無かっただろうに。

 コイツも、まだまだ青いんだな。

「今まで、あまり良く思ってなくて――軽蔑してて、ごめん、親父」



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