過去ログ - LiPPS「MEGALOUNIT」
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708:名無しNIPPER[saga]
2017/12/23(土) 00:52:28.15 ID:qh1EHTqN0
今更何を言うかと思えば、くだらねぇ。
「お前が俺を軽蔑しようなんぞ身の程知らずにも程がある。俺を超えてすらいねぇ分際で」
「子は親を超えられないんだよ。子が親を超えるのが当たり前なら、世界は今頃もっと平和だべ」
またよく分からん戯言をほざきやがるので、黙って酒を突き出すと、せがれは先ほどまでのムスッとした表情に戻った。
「まだ入ってんだろ」
「いいから飲め」
「さっきから俺ばっかり飲んでない?」
釈然としないながらも、グイッと飲んでグラスを差し出す。
「医者に止められてんだよ」
「してぇのかよ、長生き」
「孫の顔を見るまで死ねるかよ」
「今際の際に見せてやるよ、うるっせぇな」
「あぁ? 何すや」
頬杖を突き、笑いながらせがれは、小馬鹿にしたように俺に語りかける。
「さっさと死んで天国に行けば、大好きな酒も好きなだけ飲めるべな」
「お父さんが天国に行けるワケ無いデショ〜?」
布巾を持って、家内が奥から出てきた。
さっさと片付けろとでも言いたげに、邪魔くさそうにテーブルの上を拭いていく。
「――ハッハッハッハッ!」
俺の横暴に、これまで散々耐えてきた家内の一言が、コイツにはよほど滑稽だったらしい。
これまで終ぞ聞いた覚えが無いほど大声で笑いながら、せがれは俺の酒を奪い取り、それを突き出してきた。
俺は黙ってグラスを空け、せがれに向けた。
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