過去ログ - LiPPS「MEGALOUNIT」
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732:名無しNIPPER[saga]
2017/12/23(土) 02:18:16.04 ID:qh1EHTqN0
「本当に、ありがとうな――俺は、君の強さに助けられた」
ユニットのエースとして、その肩にかかる荷の重さは、時にはリーダー以上だっただろう。
城ヶ崎さんは、肩を震わせた。まだ顔を上げられずにいた。
733:名無しNIPPER[saga]
2017/12/23(土) 02:22:16.59 ID:qh1EHTqN0
話には聞いていたが、事業一課はチーフ級のプロデューサーのみという特殊な部署で、各々のデスクも全て個室だった。
中央にはフリースペースがあり、そこに一課所属のプロデューサー陣と課長が俺を出迎えた。
シンデレラプロジェクトを所管する、あのクマさんもいる。
734:名無しNIPPER[saga]
2017/12/23(土) 02:24:45.12 ID:qh1EHTqN0
そして――ここが、俺の個室か。
やや緊張しながら、俺はドアを開けた
「おっ、来た来た。おっはよー、プロデューサーさん♪」
735:名無しNIPPER[saga]
2017/12/23(土) 02:27:18.96 ID:qh1EHTqN0
いや、せっかく美城常務――今は専務か。
とにかく美城さんが、名ばかりチーフという最後の花道を俺に用意してくれたのだ。
最後のお勤めくらい、しっかりしないとな。346プロに恩義があるのは事実だ。
736:名無しNIPPER[saga]
2017/12/23(土) 02:30:19.33 ID:qh1EHTqN0
な、何だ、今のは――?
「あら――ごめんなさい、お気に召しませんでした?」
737:名無しNIPPER[saga]
2017/12/23(土) 02:33:36.97 ID:qh1EHTqN0
「あら?」
キョトンとした顔で、高垣さんが俺を見つめる。
「あらじゃないですよ、朝っぱらから。
738:名無しNIPPER[saga]
2017/12/23(土) 02:37:51.28 ID:qh1EHTqN0
「あ、そうだそうだ、常務ちゃんからプロデューサーに伝言頼まれてるんだー♪」
宮本さんが、俺の不信など無視するように極めてフレンドリーに声を掛けてきた。
「えー、オホン――私は君を、プロデューサーとしてそう高く評価してはいない」
739:名無しNIPPER[saga]
2017/12/23(土) 02:41:12.33 ID:qh1EHTqN0
「あ、でさー、聞いてるプロデューサーさん?」
塩見さんがタイミングを見計らい、ニヤニヤしながら切り出した。
「確かにプロデューサーさんはここに異動になったけど、あたしらも事業一課に転属になったんよねー。
740:名無しNIPPER[saga]
2017/12/23(土) 02:47:40.25 ID:qh1EHTqN0
「ホント? カリスマJKを卒業して、今度は華麗に女優に転身、ってのもアリかな★」
そう言って腰に手を当て、髪をふぁさっと掻き上げてみせる城ヶ崎さん。
そういう路線も悪くない、だが――今の彼女は、普段にも増して憎たらしい。
741:名無しNIPPER[saga]
2017/12/23(土) 02:50:54.24 ID:qh1EHTqN0
聞き慣れない呼び出し音に、一瞬体が固まる。
しかし、気を取り直し、急ぎ塩見さんがどいて間もない席に着き、受話器を取った。
「はい、事業一課です」
742:名無しNIPPER[saga]
2017/12/23(土) 02:56:17.25 ID:qh1EHTqN0
何となく、そんな気はしたんだ。
あのフェスが終わった後、彼女の瞳は、どんどん輝きを取り戻していくようだった。
カムバックを決意した彼女の担当が俺でなかった事に、まずは安堵するべきだが――。
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